Aに電話をし3日前になったからキャンセルの電話を入れる旨を伝えると、案の定、「キャンセルの電話は俺がする!」と言ってきた。 
僕は冷静を装いながら、3件あるから分担しようという案を出したが拒否をされた。 
この日のやりとりで、AとDがBの失踪に絡んでいることがほぼ間違いないと睨んだ。 

僕はAとDに状況を話して問いただそうと言ったが、Cはもう少しだけ時間が欲しいと言った。 
どうやら個人的にAとDについて調べるつもりらしい。 
僕はあまり気が乗らなかったが、Bについては本当に心配だったので大学にわけを話してBの実家の連絡先を聞くことにした。 

冬季休暇中の大学は人が少なく、窓口にも誰一人並んでいなかった。 
窓口の人に理由を話すと調べてくれたが、AもBもDも僕が通う大学には在籍していなかった。 

Bは先の件で偽名の可能性があったが、大家さんから聞いた名前でも在籍がなかった。 
もう3人の名前が本名なのかさえ信用できなかった。

出発日だった日の前日にAから連絡が来た。 
Bが戻ってきたと言うのだ。 

その後、2週間振りに5人が揃った。 
最初はAの家でと言われたが、そこには行ってはいけない気がした。 
そのため、適当な理由をつけて街中のファミレスで落合うことにした。 

ファミレスに現れたBはBではなかった。 
Bに似ているわけでもなく、完全に別人だった。 
正直、僕は冷静を保ててはいなかっただろうし、鳥肌が引かなかった。 

見た目は普通の人間だが、その顔からは悍ましさ感じた。 
僕とCはBじゃないと言い続けたが、AとDはBだと言う。 
その間、Bと名乗る別人は僕とCのことを交互に見続けた。 

聞いてもいないのに失踪の経緯を説明し始め、Bは今日まで泊り込みでバイトをしていたと言う。 
そして、そのバイトは期間中に外部と連絡を取ってはいけない仕事だったと話していた。 
事前によく説明を聞いてなかったため、そのまま連絡が取れなかったというのが言い分だった。 

さらにBは続けて言った。 
「明日からの旅行は行ける?」 
Bの顔がさらに悍ましく見えた。

説明するようにAが言った。 
「実は宿はキャンセルしなかったんだ。だから旅は決行できる。」 
既に宿がキャンセルされていることを知っているということは、ばれていないようだった。 
あるいは、ばれていても良かったのかもしれない。僕は混乱していた。 

「3日前に旅は中止と決まっただろ。その際に、俺とこいつは別の予定を入れてしまったよ。」Cが言った。 

散々引き止められ、断ることに時間を要した。 
その間、今すぐにでも逃げ出したかったが、大学はおろか住所も知られているため穏便に進める必要があった。 
Cのおかげで俺も冷静を取り戻し、何とかその日は解散となった。 
解散となったあと、僕とCは3人の後をつけた。 

すると3人は10分ほど歩いたところにある駐車場に入っていった。 
しばらく待つと、Aが運転をする車が駐車場から出てきた。 
Aは免許も持っていたのだ。 

その後すぐに引越しをした。 
引越しをするまでの間も家には物を取りにいくための1回しか帰らなかった。 
引越しに日に久々に家に戻ると、誰かが侵入した痕跡があった。 

卒業まではほとんど大学に行く必要がなかったため、C以外に会うことはなかった。 
AとBとDとは連絡も取ることなく春になった。

以上が体験した話です。 

この話は1年前の出来事です。 
1年後にわざわざ書いたことには理由があります。 

この1年間もCとは定期的に連絡を取り、数回飲んだりしていました。 
そのCから昨日連絡があり夜に会ったのですが、その席で思いもよらない話がでてきました。 

Cが先日ふと思い、大家さんから聞いたBが住んでいた家の名義の名前を検索したところ、 
その人は1年前に死亡していたそうです。 
死亡していた人が、僕たちの知っているBという人物である可能性は非常に高いと思います。 

あのBと名乗る別人の顔が浮かび頭から離れません。