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昨年の末、祖父がくも膜下出血で倒れました。で、結果的に半身不随。 

意識は有ってこちらの呼びかけは理解している様子なんだけど目が開けられなくて、言葉もうまく発音できない状態。(判読は出来るレベル) 

その祖父が心筋梗塞で危篤になってしまった時のお話です。 

その時私は仕事中でして病院に駆け付けることは出来なかったのですが(というより全く知らされなかった)、

その場にいた両親の話ではある程度覚悟を決めていたそうです。(事実、一時は心停止状態になった) 

ただ現代医療の偉大さなのか運が良かったからなのか危篤状態から見事持ち直したんです。 

意識が戻った祖父の第一声が 

「一丁目に行ってきた」 

母が冗談混じりに 

「何が在ったの?」 

と聞き返したところ 

その返答が 

「何も無かった」 

だったそうです。

あと、その祖父が入院中、お見舞いに行った時の話。 

祖父の病室は二人部屋でして、祖父が窓側のベッド、もうお一方の70歳くらいの男性が入り口側のベッドという配置でした。 

祖父は寝たきりになってしまっていたので痰が喉に溜まってしまいます。

放置すれば呼吸困難で窒息死してしまいます。

そこで時折口に水を含ませて痰を吸引機で吸い出してあげなければなりませんでした。 

その作業は基本看護士が行うのですが、幸運にも私の叔母が看護士で、さらに祖父が入院している病院が勤務先でしたので、

わざわざ職員の方をお呼びせずに処置出来ていました。 
 
相部屋の方は祖父よりも病状が悪く意識がない様子で、心電図がベッドの傍らに置かれていました。 

私がお見舞いに行った際、相部屋の方は看護士さんに溜まった痰を吸い出してもらっていました。 

ズゴォ、ズズゴォーと聴いていて余り良い気分になれない音がしばらく病室に響きます。 

早く終わらないかなぁと考えていると、 

「大丈夫ですか!?~さん聞こえますか!?」 

と看護士さんの緊迫した声が。 

私達が戸惑ってオロオロしているとベッドの上のカーテンレールをザーッと引かれ隔離されてしまいました。 

はじめに述べた通り、祖父のベッドは窓側ですので、閉じ込められてしまう格好です。
 
すると男性の声が聞こえ(おそらく医師の方)、何やら緊迫した様子。 

「ピーーーーー」 

電子音が鳴ります。 

心停止のようです。(本当に鳴るんですね) 

心臓マッサージでもしているのか 

「ンッ、ンッ、ンッ」 

力を入れるような声と 

「プシュー、プシュー」 

というポンプの音が聞こえて来ました。 

更に、 

「遺族・・・連絡を」 

「~にお住まい・・・20分は・・・」 

とボソボソッとした話し声が。 

急変してから2、30分後(実際はもっと短かったかもしれない)ベッドごとどこかへ運ばれて行きました。 

大変な所に立ち会ってしまったねぇ、と親戚連中と雑談していた所、おそらくは相部屋の方の奥様らしき女性が声をかけてきて 

「ご迷惑をおかけしました。先ほど亡くなりました。」 と。 

私達は何も言えませんでした。