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高校生の頃、ひきこもりではなかったんだけど、
 
学校いくのめんどくさくて、サボることが多かった。 

てか、学校自体が嫌いだった。先生も生徒も制服も黒板も机も校則も大嫌いだった。
 
正直、シンドかった。なので、学校行くって言って家出て、プーの友達と遊んだりしてた。
 
で、何度もしてたらバレて、先生におもくそ殴られた。当時は本当に嫌な思いばかりしていた。 

今思えば、たぶんストレス性だったのかな? 

ある晩、4畳半の自分の部屋のベッドで寝ていたら、「ハッ」と目が開いた。

白い天井が見える。だけど、身体が動かない。頑張ってみても、目と下顎しか動かなかった。
 
顎をズラすと自分の歯ぎしりがギリギリ頭に響く。ガッチガチに力が入っちゃってる感じ。 

金縛りなんてものを知らなかったオレは「なんだコレ!? えええええ!?」 

と、心の中ですら叫ぶ余裕もなく、ただ、漠然としている状態だった。 

そうした瞬間、通りを挟んだお向かいさんの飼っている 

犬の遠吠えっぽい「うぉぉぉぉぉん」という鳴き声が聞こえた。 

普段たまに遠吠えしてるし、特に気にはならなかった。 

「あ、耳は聞こえるんだ」って思った。…いや、「聞こえちゃってた」んだ。 

オレの部屋はマンションの一階。通りに面した窓がある。 

その「お向かいさんの犬の遠吠え」は、だんだんオレの部屋の窓まで近づいてきた。

すぐ窓の外で「うぉぉぉぉぉぉぉん」と鳴いている。目を思いっきり瞑って、ガッチガチの状態。 

すると、今度は部屋の窓をいきなり「ドンドン」叩いてきた。
 
何度も「ドンドン」「ドンドン」。 

その瞬間、ハッキリとオレの名前を呼ぶ声が聞こえた。 

窓の向こうのヤツじゃない。聞き覚えのある声だ。 

「ハッ」として目を開けたら、壁から上半身だけを出して、こちらを見下ろす白い半透明の女がいた。 

ちょうど壁際で寝ていたもんで、視界には左側に壁も写っている状態。 

その女がオレの名前を呼んでいる。優しい声だった。 

「あ!! おふくろ!!!!!!」 

そう、口から声として出た瞬間、あの遠吠えがまた。 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!」 

今度は部屋の中だ!!! 声は出たけどまだ身体が動かない。 

気が動転しかけたその一瞬間、おふくろが何か言ったのが聞こえて 

ガバッと身体が動いて起き上がれた。汗と涙でビッショリ…。 

急いで起きて、外へ飛び出し、チャリをコイで 

家から400mくらいのところにある社の付近に散らかった 

空き缶や弁当のゴミ、そしてタバコの吸い殻などなどを片付けた。 

学校をサボってココ(社付近)で隠れて、友達とたむろしてたんだ。 

オレたちが汚していたんだ。そして、たぶん今回の怪奇現象の原因。 

で、また急いで家に帰って、おふくろの仏壇に線香を上げた。 

もうこの作業を無我夢中でやってたのを覚えている。気がつけば、もう朝。 

あの時、おふくろが言った言葉。今でも思い出す。 

「後片付けはちゃんとしなさい」。 

あの時はその言葉を聞いただけで、「社」が頭にパッと浮かんだんだ。 

きっと、おふくろはオレを守ってくれたんだと思う。 

ありがとう。 

ただ、それからというもの、 

おふくろが苦しみもがいている夢をよく見るんだ…。