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それから何か月かして、暗子のことも私の中で整理がついた頃陽子から連絡がきた。 
電話の内容は「暗子を待っているのだけど、3時間待ってもでてこない」というものだった。 
暗子は亡くなっているのに何をいっているのだろうと思い「暗子は亡くなったよ?誰と間違えているの?」と聞くと、陽子は「それが亡くなったのは嘘で、暗子は生きとったん。暗子が生きていると証明するために実家に連れて行ったけど、家に入ったっきり暗子が出てこんとよ」と状況を説明してくれた。


陽子の話をかいつまむと、 

・先日暗子から連絡が来て会った。 
・暗子は実家と全く連絡を取っておらず、久しぶりに地元に帰ってきていた。 
・そこで「用事で役場に行った際自分が亡くなっていると役場の人間に言われ、どうしたらいいのか」と相談された。 
・悩んだ末、暗子母に暗子を会わせることに。 
・親と不仲な暗子を説得して暗子家まで連れてきたが、一言もしゃべらずに暗子は暗子母と家に入っていった。 
・そのまま3時間がたった。 
・家に入ろうと思ったが、見張っている?おじさんがいる。それに人も沢山いて怖いから入れない。 

といったことを説明された。 

正直ほとんど意味がわからなかったが、とにかく陽子が困っているのはわかったので、あと1時間ほどしたらそちらに向かうと伝えて、暗子の家の場所を聞いて電話を切った。 
バタバタと店を閉めて陽子にこれから行くと連絡したのだが、繋がらない。 
仕方がないので、暗子の家に向かったいる時に陽子から電話がきた。 

「……おーいぃこれが…ザワザワザワザワ…門閉めろーぃちが……ザワザワ…」 

出てみると周りで誰か複数人が遠くから大きな声で話しているような音が聞こえるだけで、陽子の声は聞こえなかった。 
何度か呼びかけたが応答がないまま電話は切られてしまった。

それから5分くらいして暗子の家に到着した。もう空は暗かった。 
暗子の家はほとんどなにもない所にあった。 
広い庭を挟んで右側に立派な木造の平屋。左側にアルミ板のようなもので作った簡易的な倉庫。その奥に何か高い建物があった。 
右側の平屋の前には立派な門があり、そちら側に向かって歩く。 
すると左側の倉庫の前に人影のようなものが見えた。 
よくよく見てみるとその人は倉庫の前で丸く大きな石の上に座って、ずっと前の平屋を見つめていた。 

門の部分に呼び鈴が見つけられなかったので、その人に話しかけに行こうと庭に入った。 
かなり広い庭で、撒き石がしてあったので、歩くと音がするのだが、その人は一度もこちらを見ることなく、ずっと平屋を見つめていた。少し近づいたところで

「すみません」

と声をかけたが反応なし。
ふと、その人が見つめている平屋に目をやった。 

その時、陽子が怖いから入れないと言っていた意味が分かった。。。 

その人の目線の先…平屋の外廊下…そこにずらっと何十人の人間が並んで正座していた。 
その人達もまた私に一瞥も触れることなく、ずっと倉庫の前の人と見詰め合っていた。 
皆一様に口角を上げ、笑いながら。 

異様な光景に全身に一気に鳥肌が立った。 
気づいたら無我夢中で帰っていた。 
帰りながらあの暗子の葬式のときの異様なお経が小さく聞こえた気がした。 
陽子の車は見つけられなかった。

ここから後日談になります。 

その後陽子と暗子に何度か電話したが、二人ともつながらなかった。 
ただ、暗子からは

「巻き込んでごめんね。」

「稿シ ,嗤口ォ餌 喰 (改行)口無シ虫ノヤマ 嚆 ナク ^」

という2通のメールがきた。(原文まま。多分文字化け?) 
それ一通のみでその後連絡が来ることはなかった。 
何度か暗子の家に行こうとしたが、どうしても怖くて行くことができなかった。 

陽子の家には何度か行ったがいつも不在だった。 
全く進展がなく、まさか何か事件に巻き込まれているのではと不安になっていた。 


そんな中、先日、精神病で入院していた父が帰ってきた。 
そこで陽子の現状を知ることになる。 
なんと陽子は父と同じ精神病棟に入院していたのだ。 
精神病棟では自傷行為や他人にけがをさせたりすると隔離された病棟に移されるのだが、 
父が自傷行為をした際、その隔離病棟で陽子と会ったと言っていた。 

私は驚いた。 
確かに心の病にかかっていたとは言っても、日常生活に影響がでるほどのものではなかったのになぜ入院? 
父に陽子の状態を聞いたが、全く近づけるような状態ではなかった…ということしか教えてもらえなかった。

そして昨日の夜。暗子の葬儀の夢を見た。 
その時いたA村の子。暗子を入れて4人しかいなかったはずのA村の子。 
でもそこには4人のA村の子がいた。 
よくよく思い出してみると、葬儀に行った際○○高校名簿という本があって、○○高校の同級生はそこに名前を書くことになっていた。 
私が5番目に書いたので、確実に4人のA村の子がいたのだ。 

それがとても気になって、目が覚めた後、意を決してA村の暗男(仮)に電話した。 
暗男とは話したことはなかったが、3年間同じクラス。 
そして暗男は陽子のことが好きだった。 
暗子と陽子について聞けるのは暗男しかいないと思ったのだ。 

電話した時はつながらなかったが、先ほど連絡が帰ってきた。 

「久しぶりですね」

という暗男に対して率直に暗子と陽子について知っていることはないかなど色々質問を投げかけたのだが、すみませんすみませんと謝られるばかりで何も答えてくれなかった。 
葬儀のとき4人A村の人がいたが、1人多いのは誰かとも聞いたが同様だった。 
そして

「もう行かなくてはいけないので、、、、そしてこの件についてはもう触れないでください。今のあなたはただ欲求を満たしたいだけだ。とにかくA村には近づかないでください。そして何かあれば笑ってください」

と言われた。 

「笑うって何?それって陽子と暗子に関係あるの?」

と咄嗟に聞き返すと、

「笑うとイエンガミは消えます。時間がかかっても消えます。イエンガミ…知りませんか?きっとあったことがある。気になるなら調べえ」…と。

結果結論としては何も言えないのだが、私の予測ではエンガミ=笑神、イ=異として、異笑神ではないかと思ってる。 

もちろんイエンガミ事体聞き間違いかもしれないが。 
そう仮説してみると、暗子の家にいた石の上の人はイエンガミではないかと思う。 
それと陽子、そして暗子が何に関係があるのかはわからないが、村の人が暗いオーラだったのは笑っていなかったからではないかと。 

そして子供のころからA村は生贄が続いていると噂されていた。 
もしかしたら暗子が生贄で、陽子も何かしらその儀式に巻き込まれたのではと勝手に想像している。 

明後日、暗子の家に行ってみようと思います。 
何かあるかもしれないからその前に書き込みさせていただきました。 
オチもないのに読んでいただいてありがとうございました。 
何か情報があれば教えてください。