008AM18610B_TP_V

持ち山にお気に入りの桜がある。 

以前はかなり大きな樹だったが、雪で折れてしまい死にかけた。 
傷口に炭を塗ったり、モルタルを盛ったりしたがダメで、残っている部分も枯れてしまった。 
しかし、去年の夏頃、枯れたはずの樹の根元に新しい芽を発見。 
芽といっても既に50cmくらいに伸びていたのが3本、しっかり葉をつけていた。 

親木が花を付けていた頃はゴザと酒をもって夜の花見をした。 
焚き火をしながら暖を取り、炎に照り返る花を見ながら酒を飲んだ。 
花が散るまで何回でも桜のもとに足を運んだ。 
我ながら桜に憑かれていると思う。 

今年の春は花はまだ付かなかったが、いずれ花を咲かしてくれるだろう。 
その時はとっておきのお酒を持って行こう。 
あとひと月もしないうちに山には雪が降る。 
雪で道が閉ざされるまであと何回行けるだろうか。