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20年近く前になりますが、私が小学校3年生頃の夏休みの話です。 

その日私は父と実家近くの防波堤に夜釣りに行きました。
(ちなみに実家は千葉の田舎です) 

対象魚はアナゴ。イカの切り身を餌に、ぶっこみ釣りをしました。 

現場には20時頃に到着。有名な釣り場なので、他の釣り人や夕涼みがてらの見物人も多くいました。 それぞれ仕掛けを投げ込みます。 

父は古くて重い投げ竿を使っていました。当時の私が抱えるとヨロヨロした記憶があります。 

仕掛けを投げ込んでしまうと、魚がかかるのを待つだけです。 

父は私を番に残して、トイレにいってしまいました。 

残された私は、ぼんやりと夜の海を眺めていました。 

しばらく経った頃、すぐそばで何かガタガタ音がするのに気付きました。 

脇を見ると、父の竿が揺れ、リールの金具が防波堤のコンクリートと接触して音をたてているのです。 

なんだこれは?と思っているうちに、竿は海に向かってズルズルと動いていきました。 

何かが仕掛けに掛かっています。竿を押さえなけりゃ、と思いました。 
その反面、あんな重い竿を引きずる魚なんて信じられず、驚きのあまり身動きができなかったのです。 

そうこうするうちに竿は海に落ちてしまい、沖に向かって一直線に進んで行きました。 
いつのまにか戻って来ていた父は、あ然としていました。周囲の大人達も驚いていました。 

結局その日は、予備の仕掛けを出しても釣果は上がらず、早々に引き上げました。 
竿を持っていってしまった魚の正体は、未だに分かりません。個人的には大きなエイではないか、と思うのですが。 

海の底知れないところは、東京湾内でもこういったことがあることです。