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手掘りの古い鉱坑がいくつも残っている森林があるのだという。 
子供たちはその近くで遊ぶことを、固く禁じられていた。 

時々、廃坑から何かが出てきて、子供を攫って穴の中へ連れ去るからなのだと。 

何が出てきているのかは、直に目撃した者がいないのでわからない。 
気が付いた時には、もう子供の悲鳴だけが穴の奥へ遠ざかっていくところで、 
一体何が子を攫っているのかは不明のままだ。 

しかし消えた子供は、何日か後にひょっこりと戻ってくるという。 
攫われてから帰ってくるまでの記憶を、綺麗さっぱりと失くして。 
そして奇妙なことに、決して怒ることがなくなっているらしい。 
まるで去勢でもされたかのように、どんな悪餓鬼も大人しく良い子になっていた。 

子供が帰ってきたことは嬉しいが、どことなく不気味でもある……。 
そんな話が増えてきたため、そこで遊ぶことが禁じられたそうだ。 
現在は森林の中に鉄条網が設置されており、近づくことは出来ないのだという。