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お彼岸でM県にあるばあちゃんちに泊まった。 
ご馳走いっぱい食べて、じいちゃんと風呂入ってすぐに寝たんだけど、
あんまり早く寝過ぎて、すげぇ早朝に起きちゃったの。 
まだ日が出たばかりで、外は薄暗く、家族はまだイビキをかいていた。 

朝靄がひんやりして気持ち良く、暇つぶしに散歩でもしようとコートを着て外へ。 
家の横を流れる用水路沿いにまっすぐ歩いていると竹林の奥から「キエッ!キエーッ」と変な鳴き声がして、鳥好きだった俺は、珍しい鳥を見れるかも!とワクワクして声の元を探した。 
「コノ先 私有地ニツキ 立入禁止」の立て看板、誰も居ないし子供だから関係ない!とロープを潜り中へ。 
そこから少し歩くと竹林の中に背の高い竹垣が現れた。 
多分2m以上、大きな円になっているようだった。 
子供ながらに来てはいけないとこに来てしまった気がしたが、鳴き声は中から聞こえる。 
きっとこの中で珍しい鳥を飼っているんだ!と思い、周りを回ると、ギリギリ人が通れるくらいの隙間発見、中を覗くとまた同じような竹垣がある。 
スルスル抜け、ぐるっと回るとまた隙間があった。 
中は少々暗い、するっと抜けると・・・ 
何もない。

いや、地面から竹が一本。 
生えているのではなく、刺さっていた。 
というか、ものすごく臭い!魚が腐ったような臭いがする! 
「キエーッ!!」 
あまりの爆音に一瞬恐怖を感じる俺。 
しかしその感情はすぐに怒りに変わった。 
鳥なんかいないじゃないか!!ぷんすか! 
臭いし、気味悪いから帰ろうと思ったその時、かすれたような声が響くように、竹筒の中から聞こえた。 
?! 
鳥じゃない! 
「オ~ミクラサマ??オ~ミクラ???ニエオクズサレ」(←?のとこは聞き取れなかった。) 
全身に鳥肌がたち、背筋に冷たいものを感じた俺は、勢いよく飛び出し、ばあちゃんちへ真っしぐら走った。 
「キエーッ!!」 
恐ろしい声でもう半泣き。 
外はすっかり明るくなり、じいちゃんが畑に出ていた。 
「俺ー、もう起きてたか」 
じいちゃんのニコニコ笑った顔を見て安心した俺は、じいちゃんに抱きついた。 
「ほーれ、まだおぼこだなー」なでなで 

・・・ 

ここで俺は座り込み、倒れるように寝たらしい。 
起きると夕方、背中だけにぐっちょり汗をかいていた。 

それ以降は何ごともなく普通に暮らした。 
ただ 
「オ~ミクラサマ??オ~ミクラ???ニエオクズサレ」 
という不気味な声はずっと頭から離れなかった。 
今でも考える。 
あの下には何がいたのだろうかと。