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テントやコッヘルやコンロ、食料、毛布を持参して男4人でキャンプしに行ったんだけど、
車で鉄橋を通るたびに下の川でバーベキューやキャンプや
釣りをしてる人が見えて、「こんな人目があるところは嫌だな」という話になって適当な場所を探してた。しばらく行くと木の橋があってそこに車を停めたんだと思う。 


そこからリュックで川沿いにずんずん徒歩。川沿いといっても道があるわけじゃなくて 
大岩を登ったり、進めないところは川の中を歩いたりして川上に進んで行った。 

やっとテントを張れそうなちょうどいいスペースを見つけてここにしようってことになった。あとはテントを設置して、トイレの穴を掘ったり、スイカやビールを川に沈めたり、 
川で泳いだりで特に書くこともないんだけど、山が近いせいかラジオが入らなかったな。 

NHKの電波だけガーガーいう雑音の中に少し聞こえて夜になると少しマシになるって感じだった。

最初の晩はとにかく寒くてね。毛布を敷いてるのに地面の冷たさに参った。 
翌日、これは寒すぎだっていうんで何人か川を戻って、近くにあったキャンプ場に毛布を借りにいったくらい。でも夜の寒さが何とかなると快適そのもの。

楽しいキャンプだった。 

おかしなことが起こったのはそれから2日くらいたってから。 
真夜中、俺だけラジオを聞いてたら電池が切れちゃってね。そしたら外から女の声が聞こえてきた。 

たぶん鹿や蛙の鳴き声ではないと思うんだが・・・ 
「川でキャンプをしないでください、川でキャンプをしないでください」、そう聞こえるんだ。 
川下のほうから声がすると思ってたらだんだんと近づいてきてテントの前まで来た。 
テントの前で喋ってるのが聞こえて、もう怖くて外を見ることも他の3人を起こすこともできない。 

そこから俺は寝てしまったみたい・・・。 

 翌朝になると仲間の一人がもう帰ろうと言い出した。夜へんなのが来た、川でキャンプするなって女が言いに来たって。寝てるとばかり思ってた仲間の一人も同じ声を聞いてたらしい。 
他の2人は「誰か本当に人が来たんだろう」とか「街中の事件現場や病院じゃあるまいし、こんな人のいない山の中に幽霊なんて出るわけない」とか取り合わない。 

俺達でも大岩を登ったりして散々苦労してきた道を真夜中に来るやつがいるか? 
ということで結局キャンプをやめて帰ることになったんだけど、その帰り道に駅ででっかいリュックを背負った行商?のおばちゃんからこんな話を聞いた。 

「あんたたち、あそこでキャンプなんかしたら危ないよ。キャンプに来た若い子が鉄砲水に流されて何キロも下流で見つかったことがあるのよ」 

俺達がキャンプした川と鉄砲水があったという川が同じなのか分からない。 
たぶん違うんじゃないかと思うし、実は今でも自分が体験したことを半分くらい 
疑ってるんだけど・・・。

でもあの夜のことを思い出すと今でも背筋がゾっとするわ