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苺摘みの季節は背中が痛くなる。身体を屈めるためだ。 
単調な作業に飽きると、子供らはおばあちゃんにフープスネークの話をせがんだものだ。 

「遠い昔の事だった」いつもこういっておばあちゃんは話し始めた。 

「お前が生まれるよりもずっと前、鹿があちこちに棲み、まだ何人かインディアンが 
 住んでいた頃だね。お前たちのお父さんが泉の辺りの斜面に初めて苺を植えた頃だよ。 
 で、6月のある日、そこで私たちは苺を摘んでいた。 
 ブリキのバケツがいっぱいになったので立ち上がり、背を伸ばした。 
 忘れもしない。その時、蛇を見たんだよ。 
 黒ずんで、長さは6フィートぐらいあったかしら? 
 それが真っ直ぐ私たちに向かってきた。 
 私が立ち上がると、それはこっちを見て干し草畑の方へ向きを変えたの。 
 それからその畑の縁に沿って、逃げて行き、草の中に逃げ込んだ。 
 頭を少しずつ高く上げながら前に進んで、牧草地の塀の下までやってきた。 
 それから尾を口で挟んで、輪のように回りながら姿を消した。 
 私は酷く興奮して、バケツに入っていた苺をひっくり返して拾い直さなきゃなか 
 った。
あの時の事は今でも忘れられないわ。」 

この砂丘の土地で、フープスネークを目撃したと主張したのはおばあちゃん一人ではなかった。 

こうした伝説的な転がる爬虫類は、この時代のこの地方の民俗の中に数多く見られ、 
さほど珍しいものではなかった。