kazuki180110gfrdftghj_TP_V

俺の親父は歴史ある由緒正しい家柄に生まれた三男坊の末っ子だった
そんな家柄だったので、父親は婿入りした後もよく長男家とやり取りをしていた

ある年長男嫁が妊娠して周りがとても祝福した
皆男の子を望んでたんだけど、途中で女の子だと判明して、周りが物凄く盛り下がったらしい
親父は娘さんが生まれてくるのを望まれてないようで可愛そうだったと言っていた
そして生まれた娘さんは、昔で言う白痴っていうのだった(爺婆が言ってた言葉、差別的な意識はないよ)
どれだけ年をとって成長しても、心は幼い少女のまま、3歳くらいのままらしい
その娘さんが生まれてから三年後、俺が生まれた
年が近いこともあって、よく一緒に遊んでた

娘さんは不思議なことを言う子どもだった
ある日娘さんは母親のお腹にひっついて「早くでてきてね」と言っていた
母親は驚いて、妊娠してないのよと説明していたんだけど、「ここに弟がいるんだよ」と言ってきかない
「生まれるときにね、たいたいの(痛いとか悪いの意味)ね、こんなかいれたの(自分のお腹を抑える)」
「半分こしよって、いわれたけど、ぜんぶいれたの」
「はやくね、生まれてきてね」
そうやって何度も何度も母親とお腹に話しかけてた
大人はずっと白痴のせいだと言っていた

その後少しして母親は妊娠して、男の子を出産した
娘さんのことがあったから心配されてたけど、健康そのもの、大人になるまで本当に病気一つしなかった
そして弟が生まれてすぐ、娘さんは小児癌になったんだ
実際はずっと持ってたんだけど、誰も気づいてあげられなかったみたい
その時も「私がたいたいだから、弟くんはたいたい、ないない」って言ってた
娘さんはあっという間に亡くなったよ

そして弟が3歳になったころ、ふと生まれる前の話をしたそうだ
まとめると
「僕はおかあさんのお腹の中で、女の子(姉のことと思われる)とどっちが先に生まれるか相談してた。いっしょにいこっていったけど、女の子が、僕が生まれるのを皆が待ってるから、先にいって悪いところ全部持っていくねって言った」
そんなことをたどたどしく、何時間にも渡って一生懸命話したらしい
4歳の誕生日を迎えた頃に両親がもう一度その話をふったら、生まれた時の話どころか姉の存在も覚えていなかったそうだ

今日お彼岸だから、弟のために亡くなった娘さんの墓参りに、弟くんと一緒に行ってきます