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兄貴と喧嘩して自分の部屋に戻って本を読んでいる途中でカーテンを開けっ放しにしていたことに気付く。閉めようとしたら黒いモヤから手の形をしたモヤが手招きをしていた。

テレビで気付く人に霊的なものは寄っていくって言ってたのを思い出して、本を本棚に戻して見なかったふりをして布団に潜った
数時間後に母が帰ってきたので小走りで玄関まで行った。
私の顔を見てすぐに「なんかあった?」と聞いてくれたがその場に弟もいて怖がらせたら可哀想だったので「何もないよ」と言っておいた。

その後ご飯を作る手伝いをしてもうそろそろ出来上がるから兄貴を呼んできてと頼まれ仕方なく部屋に行ったけど
寝ていたので母と弟と私の三人で先にご飯を済ませた。

さっき見た黒いモヤの話をしたかったけどタイミングがなかなか掴めないまま母も弟も自分の部屋に戻ってしまった。

トイレに行って冷蔵庫から飲み物を取って部屋に戻ったら部屋の隅に黒いモヤがいた。
心臓バクバクで混乱しながらも平常心を装い気付いていないふりをして母の部屋に行った。
話そうと思ったら母の部屋のドアが開く。

黒いモヤが来たのかと思って振り向けなかった。
けれどもドアを開けたのは兄貴だった。

兄「なんでお前の部屋に変なのいるんだよ」
私「知らないよ!喧嘩して部屋に戻ったらベランダにいたんだよ!」
兄「黒くてモヤモヤしたやつだろ?」
私「なんでお前も知ってるの?」
兄「よく分からないけど見えた」
私「あ!弟が部屋で一人だ!」
兄「とりあえずこの部屋に呼ぶか」

弟には皆でトランプやることになったと言っておいた。
何で兄貴も黒いモヤのこと知ってるのか、どうしてあんなものが見えたのかすごく気になった。

大富豪や七並べ、ババ抜きをして深夜一時を過ぎた頃、ラップ音が聞こえた。
ラップ音が増えていくなか、何かがボソボソと聞こえてくる。
弟は眠っていて気になっていないようだ。

母と兄貴の顔を見る。

2人ともラップ音にもボソボソ喋る何かにも気が付いているみたいだ。
気にしない素振りでトランプを続けているとボソボソ喋る声がハッキリ聞こえてくるようになった。
今までボソボソ聞こえていたのはお経のようなものだった。
お坊さんが唱えるように耳元で大きく聞こえたり少し遠ざかって聞こえたりを繰り返している。

気が狂いそうだった。
とてもじゃないけど気付いていないふりなんて出来ない。
恐怖で涙がボロボロこぼれる。

正確には分からないけど15分程度でラップ音もお経のようなものも聞こえなくなった。
その後は何も起こらなかったし黒いモヤはどこにも見当たらなくなっていた。

何度か恐怖体験はしていたけれどもこれが一番恐ろしかった。