paku1210A1130_TP_V

小4の時、夕方、犬の散歩に行こうと犬小屋を覗くと犬がぐったりしていた。
30分位前、学校から帰宅した時は庭で吠えていたから驚いて母と姉を呼んだ。

三人で庭に戻ってきた時には名前を呼んでも撫でても瞬きもしなければ、ぴくりともしない状態だった。
胸を触ってみたら心臓が動いていない。
雑種犬の4歳で今まで具合が悪そうな兆候はなかったし、朝も元気に散歩していた。
何で何でと泣く俺と姉。
母は仮死状態かもしれないから診てもらおうと、動物病院に電話したが往診は予約制で手も空いていない、そちらがきてくれと言われたらしく、父の車で行こうとなった。
父の帰宅を待つ間、犬の躰はだんだん冷たくなっていった。
程なくして帰ってきた父は事情を聞くと犬を色々触って、俺達を抱きしめるともう死んでると言った。
俺と姉は、まだ助かるかもと言ったものの、犬の見開いた眼や躰を見てもう無理なんだと気づいてた。
それから父と母に慰められて、犬の死を認めた。
犬の死骸は車庫の奥に毛布を敷き、横たえ、その上にも毛布をかけ全身をすっぽり覆った。

リビングでペットの突然死を、家族みんなで悼んでいると庭から犬が吠える声がする。しかも何度も。
え?と思い庭に面した窓のカーテンを開けると死んだはずの犬がいた。
さっき外した首輪もつけてて俺が落としたリードをくわえて尻尾を振っている。
みんな絶句。急いで庭に出た俺達に飛びつく犬は確かに生きてた。
蘇生して車庫から出たのかと思ったけど車庫には鍵がかかってた。車庫の小窓は犬が通れる幅ではないしそこにも鍵がかかってた。
犬にかけていた毛布は微妙に膨らんでいてめくると母の園芸用スコップがあった。
家族みんな説明が付かない事態に混乱。
犬だけいつも通りにハッヘッハッヘッしてる。
気味悪かったけど、まあ犬は元気なんだからいいかという感じになり、犬はどうにかして生き返り車庫から出たという結論に。
翌日、動物病院に連れて行ったが躰に何も問題は無く、以後この話題に触れることはなかった。犬は俺が高2の時まで生きた。