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ある冬の日、先生は前任の学校の元教え子と久々に飲みにいった。
何事もなく飲んる最中、その教え子がカメラ(携帯だったかも)を取り出しながら言った。

「そういえば先生、オカルトとかそういうの詳しかったですよね。これ、ちょっと見てもらえます?」
そんなんでもないぞ、と苦笑しながら教え子が表示させたその画像を見てみる。

写真は母校を写したもの。
九月か十月頃の肌寒い時期に撮ったらしい。時間は夜中の九時。天気は雨。道路にある街灯は既に点灯している。
コンビニから出て道路を挟んで向かい側に教え子の母校(階数は四階だったはず)がある。
そして、他教室の窓は閉まっているが三階D組の教室の窓が開いている。
そこで窓のさんに肘を横にして顔を乗せている夏服の女子生徒がいて、カメラ目線で微笑んでいた。
何でこんな風景撮ったのって聞くと、その教え子曰く雨が降っている母校が何か幻想的だったから撮ってしまったのだそうだ。

曰く、おかしいのは三階D組の教室にいる女子生徒。
一つは服装。その時期はもう夏服の期間は終わっているはずなのに、何故かまだ夏服だ。肌寒い時期としては服装が非常識だ。
もう一つは時間。
九時頃の明かりが点いていない教室に女子生徒がいるのも不可解だが、そもそも警備員がいなくなる都合上校門も閉じられるため誰も入れるわけがないのだ。

極めつけは写真を拡大した時に見えたその女子生徒の目。
その目は宇宙人か何かのように、爛々と、緑色に輝いていた。
最初は信じていなかったらしいんだが話を聞いて、そして緑色の目を見た時に「あ、これはこの世のものではないな」と感じたそうだ。
更にもう一つ思い出したことがあった。

教え子の中に霊感が強い子がいたんだが、その子があの教室にだけは入るのが怖いと先生に告げていたこと。
それでも先輩に用事があったりしてどうしても行かなくちゃいけなかったりするときは覚悟を決めて入っていたらしい。
その子はこう言っていた。

「先生、幽霊ってのは目の前にふっと現れるもんじゃないんです。
 何かね、みんなは気付いていないけど分かっちゃうんですよ。
 何気なく話している中に、この世にいちゃいけない奴が紛れ込んでるのを」

その「いちゃいけない奴」は今でもそこにいるのだろうか。