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アラフォー俺の死んだ幼馴染の話
友人とは近所で同い年なので物心着いた頃から家族ぐるみで仲が良かった
中学の時に友人の母親が病気で亡くなった

友人はマザコン?!ってくらい母親と仲が良かったので凄く落ち込んでた
本当に一言も喋れなくなって学校にも来なくなったくらいだった
その年の夏休みにその友人が失踪した
捜索隊も結成されて俺も参加し友人を探したが結局見つからなかった
が、その数日後に中学の教室で一人で座ってるところを先生に保護された
友人は頑なにどこで何をしていたか言わなかった
新学期から友人は少しづつ明るくなって普通に登校する様になって
俺たちは同じ高校に進学した

普通に高校生活を送ってたけれど、友人は時々学校を休んだ
友人の親父さんに聞くと、家にはいない家出でもしたんだろうか?
なんて最初は言ってたけど普段の素行は普通だし
数ヶ月に一度はいなくなるのでそのうち俺も気にしなくなった
昨日どこ行ってたんだよ?と友人に聞いてもいつも笑ってごまかされたし
親父さんも理由は知らなかったし、深く聞く事はしなかったそう

俺たちは大学に進学した
学部は違うけど家から通える同じ大学で友人関係は続いてた
そして学校で姿を見ない日があるのも続いてた
学部も違うしその時はあまり気にしてなかったけど
お互いサークルに入るわけでもなくのんべんだらりと大学生活を送ってた
成人式の日、中学の同級生と飲み会をした
他の友人は街を出て働いていたり、ほかの地方の学校に通っていたり
久しぶりなので話は弾んだ
で、その時に中学時代の友人が行方不明になった話になった
ほかの友人たちが友人に対して、お前どこに行ってたんだよ?
誘拐されてたのか?女と一緒だったのか?とかいろいろ聞いていたら
いつもは穏やかな友人が激怒して、うるせえ!と怒鳴って店を出ていった
俺は出て行った友人を追いかけた

そのあと友人をなだめて俺の家で一緒に二人で飲んだ
俺が、気にするなよ、あいつらも悪気があったわけじゃない的に慰めてると
友人がぼそぼそ話し始めた、行方不明になってた時は母親に会ってたと
そして今でもたまに会ってるって言う
俺は、は?お前の母ちゃん死んだじゃん?って聞いたら友人は
たしかに母ちゃんは死んだけどたまに会えるって言い出した
友人いわく中学の時行方不明になったときは、
ずっと母ちゃんに会いたいと思ってたら急に意識を失って
気づいたら家で母親と一緒だった、と
で、しばらく一緒にいたけども母親に学校行っておいでと言われたて
意識が遠のいたら自宅の押し入れで寝ていたそうだ
制服を着て学校に行ったら見つかって大騒ぎになってたと言われた

それ以来、母ちゃんに会いたいと思いながら押し入れに入ると
母親に会えるらしい、それでたまにいなくなるんだと言っていた

正直俺は、あ、こいつ母親が死んで心が病んだんだな、と思った
そのあとは普通に飲んで俺の部屋で泊めて寝た

それからしばらくして、やはり学校で友人の姿をしばらく見なかった
友人と同じ学部の仲間に聞くと数日休んでると聞いた
俺はふと思い立ってその日の夜、友人の家に行った
友人の親父さんに、忘れ物を届けに来たと嘘をつき友人の部屋に上がった
で、こっそり押し入れを開けてみるとやはり友人はそこで寝ていた
でも、その姿が本当に異様だった
顔には笑ってるような安らかな表情、でも生きてるように見えなかった
青白い肌に呼吸をしてるようにも見えない感じで俺は慌てて逃げ帰った
友人が死んでると思ったからね
その日から俺は熱を出して数日学校を休んだ
数日後学校に行ったら、友人に笑顔で休んでんじゃねーよと言われた
友人が生きてたことに安心した俺はその場で号泣したのを覚えてる

お互い大学を卒業して就職した
友人は地元に、俺は少し離れた地方で就職し一人暮らしを始めた
友人とはたまにしか会わなくなったけれど休みが合えば
地元で一緒に飲んだりしてた
俺は結婚して子供も出来てますます友人とは会わなくなった
そんなある日、友人の親父さんから電話があった
友人が仕事に何日か言ってないと連絡が来たんだが俺が何か知らないか?と
俺はその週末に地元に帰った、あの押し入れを見るために
俺は友人が押し入れでまた母親に会っていると確信してたから

友人の家について、親父さんに最近変わったことはありませんでしたか?
とか聞きながらちょっと部屋を調べさせてくださいと上がり込んだ
そして友人が居ると確信し押し入れを開けたが、そこに友人はいなかった...
そのあとしばらく街を探し、親父さんに警察に届けたほうがいいと言って
俺は地元に戻ってきた、その数日後、親父さんから友人の訃報が届いた

結局友人は押し入れで死んでいた
親父さんが友人が帰ってきた時のために布団を干そうと押し入れを開けたら
そこで友人が見つかった
警察からは事件性はないと言われ、死因も正確にはわからない、と
葬式の時に見た友人の顔は学生時代に押し入れで見た顔といっしょだった
俺はものすごく怖くなった

あれから何年か経った今でも思うのは
親父さんや警察が死んでると判断した時の友人は
本当は生きていたんじゃないか?ということ
俺が学生の時に見た友人は明らかに死んでるように見えた、でも生きていた
俺が親父さんにあのことを話してたら友人はまだ生きていたんじゃないか?
と思う事がある

あとは友人はどこへ行っていたのか?なぜ結局押し入れで死んでいたのか?
今でもわからないことだらけだけど友人は今、母親と会えているんだろうか?