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部活キャンプのための下見を一人でしていた時のことだ。
頃は秋の初めで、紅葉が見事だったという。

と、紅葉の赤に混じって何か奇妙な物が薮中に見えた。
派手なケミカルピンクの蛍光色だった。
近寄ってみると、小さな獣だったという。
青い目でどことなく兎に似ており、ぶるぶると小さく震えていた。
怯えて逃げることも出来ない風に見えた。

こんな奇妙な動物は見たことがない。
手にした杖でちょんと突付くと、ピィと甲高く鳴いて潰れてしまう。
そのままドロドロに溶けて、ピンク色の液体になってしまったそうだ。

ピンクの水が藪の下を這って逃げるのを、彼は黙って見送ったという。