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あたしは色々あって、学校に行ってなかった。 

今では馬鹿じゃねーの、とかその時の自分のことを思う。 

毎日泣いて、死ぬことばっか考えてた。誰も信じられなかった。すんげー厨二病だったんだよな。 

家族と会話しなかった。友人とも話さなかった。そんなあたしを見かねて親が一匹の兎を飼ってくれた。 

最初は「どうせ死んじゃうんだからまた一人になる」とか考えて拒否ってた。 

けどその子は一番最初にあたしに懐いて、あたしもだんだんその子が可愛くなってきて。 

あたしが自分の部屋で泣いてたとき、違う部屋だから気付かないはずなのに決まってケージかじってた。で、出してあげると背伸びして体摺り寄せて涙なめてくれた。 

大事な子だった。この子はあたしのこと裏切らないとか思ってた。けど、やっぱり寿命でその子は死んだ。 

あの子が死んだ次の日、寝てたらアレが起きた。 

2011年3月11日14時46分頃 東北地方太平洋沖地震 

あたしの住んでる場所は甚大な被害があったところだった。 

丁度その日あたしは家に一人で、最初はそんなに大きいものでも、長く続くものとも思ってなくて無視ろうかと思ってた。 

でもいきなり頬に柔らかい感触があって。あの子の、ふわふわの毛の感触があって。 

まさかと思って飛び起きた。霊なんて信じてなかったのに、目の前にあの子が居た。 

つい名前を叫んで布団から出た瞬間、足元の大きくて重い本棚が倒れてきた。 

もう少し遅れてたら死んでたってびっくりするやら怖いやらでぐずぐずしてたらその子が廊下に飛び出して、外に出てった。

もう周りは色々なものが倒れてきてて、あたしはまだ埋めてなかったあの子の亡骸が入ったダンボールひっつかんで裸足で外に出た。

マンションの廊下にあの子が居て、まるであたしに「着いて来い」って言うみたいに前を走って階段下りてった。
 
必死にその子を追いかけてマンションの下まで降りた。マンションの人たちが「大丈夫?!」って近寄ってきた時にはもうあの子はいなかった。 

あの子が守ってくれたんだと思う。 

今でも、あのときの不思議な暖かいふわふわの感じ覚えてる。