PAK73_kumasannonuigurumi20140531_TP_V

2年前、彼と死別しました。 

彼が亡くなる3ヶ月ほど前、デートでの出来事です。 
彼は私の膝枕が大好きで、公園のベンチで膝枕をしていたときのこと。 

私が「なんか○○ってクマさんみたいだね」って言うと 

彼は「そうかな? 生まれ変わったら優しいクマになってお前を癒してやるよ」って優しい笑みを浮かべて言いました。 

彼はその後、病でこの世を去りました。 

私は生きる望みを失い、呆然としたまま毎日を過ごしていました。 

友人が見かねて気分転換にハイキングに誘いました。 

春の日差しが暖かい、近くの山へ行ったときのことです。 

久しぶりに自然に触れた私は、友人の優しさを感じて久しぶりに憂鬱な気持ちを忘れていました。 

そんなときです。遊歩道の近くで私たちは1頭のクマに遭遇しました。 

そのクマは体長170cmほどで、冬眠を終えたころみたいでした。 

友人は恐怖心からそそくさと逃げ出しました。わたしも冬眠明けのクマの恐ろしさは知っているつもりでした。 

私は恐怖のあまり腰を抜かし、その場にへたり込みました。

そのクマは、私に近づいたかと思うと、いきなり匍匐前進のように 
私の元へやってきました。 

「食べられる」と直感しました。 

しかし、私の膝のにおいをかぐと、いきなり膝に頭を乗せて甘えだしたのです。 

私はあっけにとられました。野生のクマがそんな行動をするなんて・・・ 

しかも体長170cmといえば立派な大人のクマです。 

クマは私の膝で頭をすりつけたり、私に向かって甘えるように手を伸ばします。 

いつしか私は涙を流していました。 

クマが頭をすりつけたり、手を伸ばす仕草は、まさに彼の動きとそっくりだったのです。 

「本当にクマに生まれ変わったの・・・?」と涙ながらに思っていると 

クマは私の顔を不思議そうに眺めました。

そうしてそのクマは私が流した涙をペロッとひとなめすると 

「○○が元気そうでよかった」と言っているように見えました。 
それから私にキスをするかのように鼻を近づけ、もう一度私の唇をなめると森の奥に消えていきました。 

友人は「大丈夫だった? 食べられるかと思った」と泣きながら寄り添ってきました。 

私はいまだにあのクマが彼の生まれ変わりだと思っています。