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私は進学校から、そこそこの地方国立大学に入学しました。 

憧れのキャンパスライフ。期待が膨らみます。 

朝、一人暮らしするために借りたアパートから出て、大学へと向かいました。 

大学までは歩いて五分ほどの距離です。 

その道の途中に、大きな交差点がありました。 

歩行者信号が赤だったので、私はとりあえず青になるのを待っていました。 

向いの歩行者道路には、老人夫婦が信号をまっているのが見えてました。 

その老人夫婦、なんだか見覚えがあります。 

二人ともキレイな白髪です。 

おじいさんは、その髪を後ろで短く結び、白い立派な髭を生やしていました。 

おばあさんは、年のわりににはキレイな髪をさげ、ロングヘヤーにしています。 

しかし、思い出すことができません。 

遠い、遠い記憶の中に沈んでいる・・・。

信号が青になりました。 

横断歩道から足を進めます。 

すると、その老夫婦がすれ違いざま、二人とも私のほうを向いて
 
「まさみ」 

と呟きました。二人とも同じ声で。 

しかも、聞き覚えのある声です。 

わたしは二人のほうを振り返りましたが、そこにはもう誰もいません。 

しかし恐怖は感じません。 

あの声は、幼少のときに死んだおばあちゃんの声でした。 

おばあちゃんの趣味は、人形を集めることでした。 

西洋の人形から、日本人形まで、さまざまな人形がおばあちゃんの部屋に飾られていました。 

その中で、不気味な人形がありました。 

熊手をもった、キレイな装束をきた、おじいさんとおばあさんの人形です。 

しかも、顔のつくりが奇妙でした。 

顔面がお面のようになっていました。 

お面の表情は笑っていますが、まるで般若の面のような禍々しさがあります。 

私はその人形が嫌いでした。 

おばあちゃんにこのことを話すと、「こう見えて、この二人はまさみを守ってくれるのよ。」と言いました。 

今までのイメージが一転して、なんだかこの二つの人形が一生私の味方であるような気がして、心強く感じました。 

おばあちゃんが生きている間は、おばあちゃんの部屋は私にとって楽しい遊び場でした。 

しかし、おばあちゃんが死んでからは、不気味な雰囲気が漂いはじめました。 

見かねた私の母は、その人形たちを供養寺にあずけてしまいました。 

あの時、おばあちゃんは人形の体を借りて、私に会いにきてくれたのでしょう。 

おばあちゃんが今でも見てくれている。 

そう思って、いままで頑張ることができています。