965 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/07/14(火) 21:59:52 ID:r1Z1RUJQ0 [4/9回(PC)]

「4」 

しばらくすると、A父が帰宅。 
同じようなタイミングでD寺から住職さんが到着(以下D住職 これも遠い血縁者らしい)。 

一階の仏間に引きずられれていたBは、
白目を剥いて魚のように口をパクパクさせながら、 
相変らずに

「あう~」


とかわけわからない声しか出さない。 
A爺、A婆、A母、A父、A、D住職がBを取り囲んでいる。
俺はと言うとA妹と少し離れた場所に正座で座っていた。 

Bがどうなっているのか、それも怖かったけど、
線香が漂う中でAの一家が妙に不気味に感じて仕方がなかった。 

洒落怖とか見てて、調子に乗っていた自分がものすごく嫌になった。 
目の前で友達一人奇声を上げただけで本気でビビッてるくらいだからね。 


A父「どうですかね?」 


D住職「……まぁ、大丈夫だと思いますよ。当番はどこでしたっけ?」 


A父「うちの当番は、○年前です。今は『○屋』さんですね」 


何やら聞きなれない屋号の名前が出てきた。 
Aにあとで聞いた限りでは、宗家はそれぞれの「屋号」があり、
それでお互いを呼び合っているらしい。 
しばらくはBの様子を伺っていたけど、 


D住職「なるほど」 


A爺「何年ぶりくらいですかね、こういうの」 


D住職「この子も運が悪かったね」 


何か、淡々と事が進んでいく。 


プルルルルルルル! 


突然に電話が鳴った。 
これにビックリした。思わず悲鳴を上げて飛び上がったのでA妹に失笑された。 
A婆が電話を出るためにその場から去った。 
 
966 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/07/14(火) 22:00:53 ID:r1Z1RUJQ0 [5/9回(PC)]

「5」 

相変らずBは「あう~」状態だ。 
そんなBの背後にD住職は移動した。そして背中に耳を当てて目を閉じる。 


D住職「そろそろ、お帰りなさい」 


B「あう~」 


D住職「そろそろ、お帰りなさい」 


B「あう~」 


何度かそんなことを繰り返していたら、 


A婆「神社から、大丈夫かって電話がきましたよ」 


D住職「あぁ、今回は大丈夫そうだと、伝えてください」 


A婆「わかりました」 


そしてD住職はまた同じ作業に戻った。 


D住職「そろそろ、お帰りなさい」 


B「あう~」 


何というか、子供をあやしているようでじれったい。 
お坊さんならお経でも読んで一発で除霊でもすればいいものを!とか俺は考えていた。 


D住職「そろそろ、お帰りなさい」 


B「……ヤダ」 


その声は明らかにBの声じゃなかった。全身に鳥肌がたつ。 
これにはさすがにAの一家も驚いたようだ。 



967 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/07/14(火) 22:01:46 ID:r1Z1RUJQ0 [6/9回(PC)]

「ラスト!」 

動揺が走ったがD住職は落ち着いていた。 


D住職「そろそろ、お帰りなさい」 


B「……ヤダ」 


D住職「お酒を用意します。これを飲んでお帰りなさい」 


B「あう~」 


そうしてからD住職はA爺に用意してもらっていた日本酒をBの口元に運ぶ。 
半開きのBの口にそれを流し込むと、バン!と大きく背中を叩いて、 


D住職「さぁ、お帰りなさい」 


B「……」 


そのまま静かになるB、それを見てD住職も


「まぁ、大丈夫でしょう」


と。ようやくA一家にも安堵の表情が浮かんだ。 

その後、俺もBもA家に泊まることになり、
A一族の○屋さんがふろしき包みを持ってA家に来たり、 
夜中だというのに何度も電話が鳴ったり、色々と慌しかったけど、
無事に次の日を迎えた。 
土曜日の朝、Bは何食わぬ顔で目を覚ました。 


俺「大丈夫?」 


B「ちょ~気持ちよく寝ちまった」 


俺「……あ、そう」 


って感じで、少しばかりBがむかついた。でも、何事もなさそうで良かった。 
なにせ「……ヤダ」って声には驚いた。
あれがいわゆる壊れたレコーダーの音みたいなやつだね。 


話としては以上。 


Aに聞いた話は、国際法の勉強がひと段落して
気持ちがのったら書いてみようかと思います。 
長文、すみませんした