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静岡県の東田子ノ浦駅前に、『六王子神社』という社がある。 
この神社の縁起が恐ろしい。 

その昔、この地域では沼の龍神に生贄を捧げる儀式があった。 

ある年、関東から京都へ巡礼に向かう旅の途中だった七人の巫女たちが、生贄を決めるクジを引かされることになった。 

巫女たちは運悪くクジに当たってしまったが、潔くその身を龍神に捧げることを承知し、沼の中に沈められた。 

村人たちはその供養と感謝の為に、七人の巫女を祀った社を建立した。 

それが六王子神社である。

しかし、それは歪められた話である。実情は当たりしかないクジを引かせて、嫌がる巫女たちを村の男たちが殺害して沼の中に放り捨てたのだ。 

六王子神社は、後に当時のことを後悔した村人たちが建立したものだったのである。 

因みに七人の巫女であるにも関らず『六王子』なのは、残りの一人、 『おアジさん』という名の少女のみ、当地から少し離れた場所にある阿字神社に祀られているためである。 

なぜ一人だけ別の場所に祀られたのかは不明だが、殺害現場が離れていたのだろうか……。 

それとも、この『おアジさん』だけが、村人たちを強烈に祟ったのか……。 

もし関東の方が当地を訪れることがあって、六王子神社を目にしたならば、敬虔な気持ちで七人の巫女たちの冥福を祈ってあげて下さい。