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俺が小学校6年の時、今からだいたい15年程前の話だ 

2年に1度、夏休みに母親の実家である山形県の飛島って離島に家族4人で帰省してた 

その年も、いつものように飛行機、バス、電車を乗り継いで酒田市へ。 

帰省の初日は酒田の叔父の家で一泊する 

そして翌日の朝の便で、飛島を目指す 


港に着くとばあちゃんが、自転車の後ろにリヤカーを連結して待ってた。 

そのリヤカーに荷物と俺と妹が乗り込み、一路母親の実家へ進む 

この島、バードウォッチングとかあれこれあるんだけども一番は釣りだ 

知らない人はわからんだろうけども、90センチ近いマダイやら、シイラやハマチなんかの青物などなど釣りする人からしたら楽しすぎる島 

俺と親父も無類の釣り好きで、毎日釣りをして1週間ほどの滞在期間を過ごす予定だった 

そしてその日、いつものように漁師であるじいちゃんの船を借りて 
沖へと進む 

この日は御積島(おしゃくじま)って島の近くで釣りをする予定だった

んで御積島の近くで釣り開始 

この日は午後からにわか雨かなんかの予報だったし、案の定雨雲が遠くに見えていた 

気にせずやってるとほんとたくさん釣れるから楽しくてしょうがない 

気付くと空は雲に覆われていた 
親父が帰ろうと言うや否や、スコール並の大雨 
帰ろうにも、2キロ程離れている為雨で島が見えない 

下手に進むのは危険、と御積島へと上陸することにした 

この島、でかい洞窟があるのね 
刀でぶっ刺したみたいな、縦長の洞窟なんだけど 
そこの入口で雨を避けることにした 

で、洞窟に入ってびっくりしたのが壁一面が鱗みたいな模様でキラキラ光ってんの 

そりゃもう綺麗なもんで、見とれてた 

どれくらい時間が経ったのかわからないが、用を足したくなった俺は、親父に告げて洞窟の奥へ向かう 

親父が見えないくらいまで進んだところで 
なんか音が聞こえてきた 

重く響くような 

ドズン…ドズン… 

と、一定間隔で聞こえてくる 
尿意そっちのけで、気になる俺は奥を覗いた

すると、何かさっぱりわからないんだが 
黒い影みたいな自分の何倍もあるでかい何かが壁に体を打ち付けてる 

え?なに?だれ?てか人?動物? 

とか疑問符出まくりでびびった俺は、ゆっくり後退りをはじめた 
向こうは気付いているのかいないのか、相変わらず一定間隔で壁に体を打ち付けてる 

ここで俺はカニか何かを踏んでしまった 

パギャッとひしゃげたような音が洞窟に響く 
と、影の動きが止まった 

気付かれたと思った俺は猛ダッシュ…といっても足場の悪い洞窟の中だから走ることはできなかったのだけれど 
ともかく全力で逃げた 

入口に立ってるはずの親父は、もう雨が止んで日差しが射しはじめた海の上浮かぶ船の上で俺を待っていた 

慌てて飛び乗り、早くかえろう、と促す 
親父は疑問に感じたようだったが、船を走らせ港に戻った 

どれだけ考えてもその日見たものが何か解らず、一人で怯えてたんだがそんなうちに帰る日になった 

結局見ただけで何も起こらなかった
けどちと変なことが暫くして起こった

うちに戻って数日後 
その日は公園で友人達とセミ取りに励んでた 

すると、その公園の近所に住んでる頭がおかしいと噂されるおっさんが家から出てきた 
んで公園で遊んでる俺らに向かって歩いてきた 
怖いと思いながら気付かないフリしてセミを探してると 

「どこで小汚いヘビなんて拾ってきたんだ?」 

と、俺に一言 

俺のリアクションも待たず、ブツブツ言いながらどこかへ行ってしまった 

さらに暫く経ち、学校が始まった 

通学中に、またあのおっさん 
また何か言われるかなぁと思ってたら 
へっ、うぎゃあああああくるなああああああああああああ 
と叫んで逃げていった 

あ、やっぱ頭おかしいんだと思って終わったんだが… 
俺が近くを通るたびにそれをやる 
1ヶ月ほど、回数にして10回以上、そんなことがあった

数ヵ月経っただろうかそういや最近会わないな、と思ってた矢先、学校に向かおうとドアを開けた時母親から、あそこのおじさん亡くなったんだってと聞いた 

自殺らしかった 

学校でも噂になってて、みんな推理を繰り広げてた 

家に帰ってきたら、親父と母親がひそひそ喋ってる 
聞き耳たてたら聞こえてきたのが 

「○○さん、ヘビが怖い、みたいな変な短い遺書を残してたとか聞いたのよー」 

長い割に申し訳ないが、実はこれで終わりなんです… 

ちなみに御積島の洞窟は女人禁制になってて 
鱗のような模様が広がってるってので遠賀美?て神様が奉られてるそうです 

ヘビ…憑いてきたのか、なんなのか…