540 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/06/24(木) 19:22:29 ID:M1xFXU550 [9/13回(PC)]
FNは死んだんだぜ? 
すごいだろ?死んでも俺のところにきてくれてるんだよ。 
毎日、夜だけしかこないんだけどな。 
また、プラモを組み立てられるんだ。 

FNが死んでから、俺も荒れてさ。 
PSもPS2も叩き壊しちゃったけど。 
壊れたプラモならいくらでもあるんだ。 
FNはそいつを直してくれるんだよ。 
ヘヴィーギアの組み換えだけだって、まだまだ遊べる。 
塗装済みのやつを並べたジオラマも、土台割れてるけど 
地割れだとおもえばかっこいいし。 
こんなことってあるんだな。 
大事だと思ってくれたら、死後にも一緒にいてくれるんだ。

 
546 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/06/24(木) 20:13:04 ID:M1xFXU550 [10/13回(PC)]
FNと一緒に愉しんでるとまたいつもの連中がきた。 
俺を呼ぶ声。もうドアをあけちゃうよという大家さんの声。 
うっとうしいなと思っていると。 

「F!?」 
「なんじゃあら!?」 

外にいるみんなが何かに驚いた。俺は不思議と気にならなかった。 
壊れたパーツを手でぎゅうぎゅうおしつけてるFNを手伝った。 
接着剤をつけてやってたんだ。 

「俺なら、ノブを閉じ込めない」 

後ろからわずかに英語鈍りの入った声が聞こえたんだ。 
俺はFNの補修を手伝ってるはずなのに。 

「大体さあ。俺がコレクションねだらないわけないだろ」 

そう言われてみるとそうだ。 
あいつがきたなら真っ先にコレクションをとってこいと言うはずだ。 
だいたい、あいつなら、そもそもコレクションのある場所で化けてでる。 
FNは後ろにいる。まちがいない。じゃあ、これはなんだ? 
頭がしゃっきりとしてきた。 
FNだとおもってたものはそもそも髪が金髪じゃない。黒かった。 
全身から一気に力が抜けた。



547 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/06/24(木) 20:15:10 ID:M1xFXU550 [11/13回(PC)]
そいつが顔を持ち上げた。 
無邪気にわらってる。 
全然知らない子。 

「ボーイ。道連れが欲しいなら俺にしとけ」 

後ろからFNがすっとあらわれた。 
俺とぼやけたFNを交互にみたあと、FNが伸ばした手を子供が掴んだ。 
ずるんって。子供と一緒にFNが畳に飲み込まれた。 

俺は電気をつけた。 
荒れ果てた部屋があるだけだった。 
補修したとおもっていたプラモは皆もっと酷く壊れていた。 
俺の両手は傷だらけで、真新しい傷跡に、プラスチックの破片が突き刺さってた。 
扉をあけたら、みんなぎょっとしてた。 
FNのお父さんが俺をみてぎゅっと抱きしめた。 

「FNが来た気がする」 
「ノブ、酷い顔だ」 
「救急車呼んだほういい?」 

大家さんとFのオヤジさんの顔をみながら俺は意識を失った。



 549 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/06/24(木) 20:28:43 ID:M1xFXU550 [13/13回(PC)]
俺は結局FNに何もかももらったことになる。返しようもない。 
それがとてもつらい。 

じゃあな。