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中学3年の時に同じ部活だったAが指切り神社と噂されていた場所へ繋がると思われる道を見つけたと言い出し、 
誘われて断ろうとしたところ、神社の名前に反応した友人B、Cも興味を示してしまい結局 4人で行く事になったのな 

地元は所謂新興住宅街で、そこから少し外れた所に元々住んでいた人達の土地があり、学区も別で交流はない 
神社はその地域にあるらしいってのは小学校から見えてたから知ってたが、誰も行き方は知らなかったわけだ 

その場所は地元から自転車で15分程走った場所で、途中からは山道を進む事になった 
自転車を降りて山道を進むと指切り神社と思われる建物が木々の間に見えてきたのだが、 
友人Cがここでギブアプ、帰りたいと言い出した 
この時点で建物に黒い霧がかかっている様に見えて、内心同意見だったのだが友人A、Bはガンガン進んでいく 

辿り着いてみると、入り口が錆びた鉄柵の門で閉まっていて、 
さらに鎖でぐるぐる巻きに固定され南京錠が取り付けられていた 
境内へ上がる階段も崩れた場所から木が生えていたりと荒れ放題で手入れされた様子はまったくない 
階段から先は自分には殆ど見えなかった 
見えた通りに説明すれば黒い霧の様なものとしか例え様がないのだが、それにすっぽり覆われていた

黒い霧の事は差し置いても、長年開けられた形跡の無い門といい、入ってはいけない場所なのだろう 
帰ろうと声をかけたのだが、AとBは諦めがつかないのか折角ここまで来たのにと渋っている 
ちなみにCはこの時少し離れた場所にしゃがみこんでこちらの様子を見ていた 

「これくらいの高さなら入れるんじゃね?」というAの声に 
黒いもやに目を奪われたままやめておこうと返事をしようとした時、 それまではただ覆いかぶさる様に見えていただけの黒いもやがゆっくりとこっちへ動きだした様に見えた 
嫌な予感がしてAとBに離れる様に言おうと二人の方を見ると、 
Bはすぐ側にいたのだがAは門の柵に手をかけていた 

Aの名前を呼んだが柵を掴んだまま反応がない 
明らかに様子がおかしく感じ駆け寄って横から声をかけたが、 
まるでマネキンの様に動かないので、これが原因かと柵を掴んでいる手を力任せに引き剥がした 
手はすんなり離れたが、それでもAは階段の上を見たまま動かず、 
視線を追ってみると黒いもやがさらに近づいてきている 
Bに手伝うように声をかけ、二人でAを門から2メートル程引きずるように離すと、やっとAが自力で歩きだした 

そのままCがしゃがんみこんでいた場所まで戻った時、Aが何か話しだそうとしたが、 
黒いもやが未だゆっくりと動いていたので慌てて制止した 
それから逃げる様に山道を引き返し、自転車で近所の公園まで戻った 

公園に着くなりBがわけがわからんといった感じで自分とAに説明を求めてきたが、 
正直よく分からない事だらけでどう説明したものかと困惑していた所、Aがぽつぽつと喋りだした

かなり混乱していたのか、少し内容が支離滅裂だったが聞いた事をまとめると、 
柵に手をかけて階段を見上げたら一人の男が立っていたそうだ 
なんだ人居るじゃんと思った瞬間に体が硬直して動かなくなったらしい 

必死に体を動かそうとしたが動かず、声もだせず焦っていた所、急に柵から手を引き剥がされ、 
自分とBにひっぱられて男が視界から外れた辺りでやっと体が動き出したという事だ 
Cの場所まで戻った時にAが話し出そうとしたのはてっきり体験した内容かと思って制止したのだが、 
声がちゃんと出るか確かめようとしただけだったそうだ 

お前も見たよな?と聞かれたが自分にはまったく違うものが見えていたので答え様もなく、 
境内まで見えていたであろうBは男なんて居なかったと否定していた 
Cは門の前までも来ていないし、ただ怖かっただけといった感じで、 
特に何かを見たという訳ではない様子だった 

の後もAは神社での体験を気にしているのか、卒業までに何度か当時の事を聞かれたので、 
男の姿は見ていない事、黒いもやの様なものが見えた事、 
黒いもやはAに触れていないし、近づく前に引き離した事は伝えた 

逆にAにもそういった体験はよくあるのかと尋ねてみたが、今まで一度も無いと言っていた

卒業後は皆それぞれ別の高校だったので神社での体験話はお互いそれ以降していない 
オチも何もなくて申し訳ないが、指切り神社凸の体験談はこれでおしまい 

Aの見た男の容姿については申し訳ないが自己判断で伏せさせてもらった 
神社の名称はふと以前に思い出した時にネットの地図で調べたが、勿論指切り神社という名では無かった 
正式な名称もかなり特殊なものだったので気になり色々調べてみたのだが 
それについては調べた限り、謂れや神社の成立ち等一つも検索にひっかからず諦めた 
Aが見たという男がかつてそう呼ばれていたのかもしれないと思った位か