111 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/08/12(木) 04:44:38 ID:0YiqO46+0 [1/8回(PC)]
【 アリ と キリギリス 】 

アリさんたちは、春も夏も秋もずっと一生懸命働いていました。 
キリギリスさんはその間、ずっと遊んでいました。 

冬になりました。 

食料無くなったキリギリスさんは、とってもおなかが空いてしまいました。 
オマケに寒波襲来で寒くて寒くて。 

キリギリスさんは、何か分けてもらおうとアリさんたちの家に行きました。 

コンコンコン、とドア(童話なのでアリの巣にもドアがあるのだ)を叩くキリギリス。 
外はもう吹雪です。凍えてしまいそうな寒さです。おなかもぺこぺこで目眩がします。 

がちゃ、とドアが開きました。 

「やあ、キリギリスさん、どうしたんだい?」 
アリさんたちは笑顔です。 

「あの、ボクはおなかぺこぺこなんです。何か分けてくれませんか?」 
キリギリスさんは、ひもじそうな声で言いました。 

それを聞いたアリさんたちは、とっても困った顔をしました。 

だって食料はアリさんたちだけの分が精一杯。 
一年中働いてもせいぜいそれだけ溜め込むのがやっとなのです。 
税金や年金、保険料その他でいっぱい吸い上げられてしまうのですが、それはまた別のお話し。 

「いや、キリギリスさん。ボクたちもやっとなんだ。君に分けてあげる余裕はないんだよ」 
アリさんは口調な丁寧であったが、はっきりとキリギリスさんの申し出を拒絶しました。(続く)

 
112 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/08/12(木) 04:45:24 ID:0YiqO46+0 [2/8回(PC)]
(続き) 

「そこを何とか! このままじゃボクは死んでしまう!」 
キリギリスさんは血走った目で、必死にくいつきます。 

「でもねキリギリスさん、君はボクたちが一生懸命働いている間、遊んでたじゃないか。ちゃんと働けばよかったんだよ」 
そう言ってドアを閉めようとします。 

「待ってください! お願いします! お礼はしますから何か恵んでください!」 
キリギリスさんはドアに縋りつき、必死に懇願します。 

困ったアリさんたちは顔を見合わせました。 
そしてなにやらゴニョゴニョと話し合いをしました。 

数分経って、アリさんたちはキリギリスさんに向き直りました。 
みんな満面の笑顔です。 

「わかったよキリギリスさん。とりあえず中にお入り」 
そう言ってアリさんたちは、寒さに震えるキリギリスさんを巣穴に迎え入れました…。 


…その日の夜。 

アリさんたちの晩餐のテーブルに並んだのは、あのキリギリスさんでした。 

キリギリスさんの羽や足、あの美しい歌声を出す喉も丁寧に調理され、 
アリさんたちはそれらを心ゆくまで味わいましたとさ。 

めでたしめでたし。 (おしまい)



113 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/12(木) 06:01:31 ID:ESKRk2i40 [1/1回(PC)]
なにそれこわい