30 : 御子絵 ◆6scG3/0sFE [] 投稿日:2010/08/20(金) 21:54:26 ID:BjNlgK1Z0 [1/7回(PC)]

≪オーブ≫ 
その頃私は路上ライブをしているユニットの彼ら(A,B)のファンでした。 
週3くらいで様々な場所で午前と午後、彼らは歌っていました。 
Aは歌とギターとハーモニカ。もう一人のBは歌とギターとタンバリンとパフォーマンス。 
彼らは同じ町の他の路上ミュージシャンと違って、いつもファンが周りを囲んで一緒に歌ったり、 
手拍子したり、踊ったりとファンの結束力も強くて、いつも笑いの耐えない楽しいライブでした。 
私もカメラ好きの友人と行ったり、一人で行っては楽しいひとときを過ごしていました。 

その日は初めての町の駅前で、ファン以外の人も足を止めてくれたりと、いつもと変わりない 
ライブをしていました。そして夜の部が始まり、友人はいつものように写真を撮っていました。 
そしてライブ後、家に帰ると友人から今日のライブの写真が送られてきました。 
「オーブ撮れたよ」って…。 

実は友人は”見える人”で、カメラも専門的にやっていた人なので、その丸い白いモノがほこりか 
どうかの違いもよくわかるのです。 
私は生まれて初めて、身近な人の写真に写り込んだオーブをまじまじと眺めました。 
オーブは1cmくらいのものからAの頭をすっぽり覆う様な大きなものまでありました。 

私はその日のライブを思い出していました。 
そういえば、途中でAの喉がおかしくなって、しばらく咳が止まらなくなったり、変えたばかりの 
ギターの弦が切れたり。 
そして中断して歌を再会すると今度はBがジャンプした時に足をくじいたりと、ハプニングが続いた 
夜でした。 

私は2人に影響は無いのか聞いてみました。友人が霊感があるから撮れたんじゃないかとか。 
友人は「戦国時代の浮遊霊が写り込んだだけで、2人に影響は無いよ。歌が楽しくて来たんだろう」と。 
私はホッとして改めてBの痛めた足のあたりを見ると、その上にくっきりとオーブが重なっていたのを 
見つけてギョッとしました。 

                                     【完】