603 : ◆7QPLwJZR/Ypf [sage] 投稿日:2010/09/16(木) 20:57:16 ID:/WnOwU/k0 [6/7回(PC)]
しばらく無駄な挑戦をしたあと、埒が明かないので帰ることにする。 
夕陽が差し込んだ車内で、師匠が愚痴る。 
「やっぱし駄目かあ…今日はAも居るし、最近善行積んでるからいけると思ったんだけどなぁ…」 
俺はその口ぶりから、何度目かの懲りないチャレンジであることを理解する。 
「Mさん、もしかして京都とかも行ったことありません?」 
あそこは強固に結界が張られているので、"アレ"持ちならそもそも近寄れないはずだ。 
「そういえば、子供の頃修学旅行とかで、何度か行こうとしたんだけど、 
 当日に救急車呼ばれるほどの熱が出たり、 
 京都から20くらい離れた駅で、荷物が無くなって 
 さらにサイフやカードも含めた全財産すられてるのが分かって、 
 しかも家族が急病で危篤状態になって、 
 どうしても引きかえさないといけない。なんて事もあったなぁ…」 
「それ、完全に嫌われてますよ…ってか、そんなに遠くから弾かれるとかどんだけすか」 
「ちなみに俺が帰りの電車に乗っていたころには、 
 サイフも荷物も全部でてきて、家族は完治していたらしい…」 

家の前まで連れて帰ってもらい、手を振って車を見送る。 
しかし、師匠の動画は面白かった。 
あとで顔にモザイクかけてニコ動にでもアップするか。 
200再生くらいは稼げるかもしれない。 
ちょうど、台所でお茶を飲んで一息ついていたおかんが居たので 
調子に乗って、携帯で動画を見せると 
最初は「なんだい」とか言いながら笑っていたのだが、だんだん鬼の形相になってきて 
凄い剣幕で師匠に電話をかけさせられ、気付いたら、 
おかんの目の前に二人で正座させられていた。

 
604 : ◆7QPLwJZR/Ypf [sage] 投稿日:2010/09/16(木) 21:04:47 ID:/WnOwU/k0 [7/7回(PC)]
「これはなんだい!良く見たら、数体の式神が必死にM君を回してるじゃないか。 
 それも何度も!あんたら、あれほど神域には迷惑かけるなと…ホント何度言ったら分かるんだい!!」 
しまった…俺には分からなかったのだが、結界に関係する式神が映り込んでいたようだ。 
しかもおかんには、式神の種類でどこに行ったのか分かったらしい。 
「私の時代は、どんなに才能ある人でも厳しい修行を積んだもんだ。 
 あんたらもとっくに大人だ。私もきついこと言いたくないし、 
 好奇心を持つなとも言わないけど、 
 あんたらみたいな、ほとんど才能だけでやってる高下駄履きは、 
 もう少し自重して貰いたいもんだよ!!!!!!!」 
師匠も俺も、うな垂れながら力なく「スワセン…スワセン…」と言うしか無かった。 

1時間近く経ったころ、なんとか説教から解放された我々は、 
そのまま師匠の古物屋に避難する。 
何事もなかったように師匠はパソコンに戻り、 
俺は寝転がりながら漫画の棚に手を伸ばす。 
「高下駄履きかぁ…皮肉たっぷりだが、上げ底より上手い表現かもしれんね…」 
師匠が思い出したように呟いた。 
俺もふと、思いついたので訊いてみる。 
「ところで15巻まで読んだんすけど、グラ○プラー○牙ってぜんぶで何巻あるんすか」 
「ん、100巻以上」 
了。 

訂正最初の投稿 真昼間から→朝っぱらから