323 : 御子絵 ◆6scG3/0sFE [] 投稿日:2010/08/21(土) 04:15:25 ID:FRvQpvUP0 [10/16回(PC)] 
≪母との最後の思い出≫1/6 

私は母を数年前に亡くしています。生前母や兄姉家族とも疎遠だったため死に目にも会えず、 
最後の別れも出来ませんでした。 
その日は元旦で、私は兄姉家族が母を初詣に連れて行った事も知りませんでした。 
・・・母は子供達の顔はわかる程度の認知症でした。 

その元日の夜、私は久しぶりだし"おめでとうの挨拶くらいはしよう"と夜の8時頃 
電話を掛けました。9時には寝る人なのでその時間に電話をしましたが、何度掛け直しても 
母は出ませんでした。 
お風呂か、今日は早めに寝ちゃったのかな?そう思い、その日はもう電話を掛ける事は 
しませんでした。 

そして二日後、母がくも膜下出血で亡くなった。と姉から電話が来ました。 
!!…私は絶句しました。

 
324 : 御子絵 ◆6scG3/0sFE [] 投稿日:2010/08/21(土) 04:16:23 ID:FRvQpvUP0 [11/16回(PC)]
2/6 
後で兄に話を聞くと初詣で帰る時間が遅くなり、8時を過ぎたら母が 
「早く帰らなきゃ、早く早く!」と、ものすごく焦っていたそうです。 
母は私から電話が来た事を何かで知ったのでしょうか。 
亡くなる自分を察知して私と最後のお話がしたかったのでしょうか。 
私も、もしあの時話が出来ていたら…。9時過ぎてから電話をしていたら母と話が出来て、 
もしかするとまだ生きていたかもしれないと思うと・・・後悔でいっぱいになり、 
とても無念でなりませんでした。 

私の百物語の最後のお話は、そんな母との初盆までの不思議な出来事です。 

少し長いですがこの話をもって大団円とさせて下さい。



325 : 御子絵 ◆6scG3/0sFE [] 投稿日:2010/08/21(土) 04:17:18 ID:FRvQpvUP0 [12/16回(PC)]
3/6 
葬式後、私と兄は母の家にずっと泊まり、書類等を整理していました。 
義姉と娘さんは飼い犬を母の家に預けてホテルに泊まっていました。 
義姉が10時頃家に来るとワンちゃんは吠えます。 
その日もカラカラ…カラカラと玄関の戸が開いて閉まる音が聞こえました。 
私も兄も義姉が来たのだと思いました。 
兄は手が離せなかったらしく、私に出るようにいいました。 
だけどそう言ってから自分で玄関に行きました。ワンちゃんが吠えました。 

兄が部屋に戻って不思議そうに「誰も来てなかったよ?」と首を傾げました。 
私はえっ?と思って「でも、玄関開いたよね?」と…。 
…だけどその時は義姉が来たらいつも鳴くワンちゃんは吠えなかったし…。 
確かその日は初七日で、朝、お線香をあげる時に母に 
「今日はお寺さんに行く日ですよ」と言いました。 
私は思いました。気が早い母なので「お母さん、もうお寺に行っちゃったの?」と。 

初七日が過ぎてからも私はしばらく家に帰りませんでした。 
兄にひとつだけお願いされたのは母が飼っていた猫の事でした。 
母猫と子猫数匹は姉が捕まえて処分したそうですが、1匹だけどうしても捕まえる事が 
出来ずにいて、でもその子猫を捕まえたらお隣さんに連れて行けば獣医さんで飼い主を 
探してくれると段取りがついているとの事。