88 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 20:53:02 ID:PlJ4YC6p0 [2/3回(PC)]
友人の話。 

彼の実家は山中の村なのだが、そこに里帰りすると、必ず奇妙な体験をするらしい。 
帰郷した翌日に目を覚ましてみると、起き上がることが出来ないというのだ。 
腰が抜けたかのようにまったく力が入らない。 
前日は大した運動もしていない筈なのに、至る部位に筋肉痛も感じる。 

実家の人間に言わせると、夜中に河童と相撲を取ったのだろうという。 
河童は眠り込んだ人を操れるそうで、意識のなくなった人を寝床から外に誘い出して、 
一晩中相撲を取って楽しむのだと。 

友人は偶にしか帰ってこないので、河童たちも懐かしくて嬉しくて、ついつい相撲を 
取りまくってしまうのだろう。家人はそう笑っていた。 

「河童に知り合いはいないんだけど、家の者が言うには、この辺の河童は村の住民 
 一人一人を皆覚えてるっていうんだ。 
 別に眠るの待たなくても、相撲くらい付き合ってやるのになぁ。 
 ・・・あーでも、やっぱり一晩ぶっ続けってのは、勘弁して欲しいかなぁ」 
友人はどこかしら困った顔でそう言っていた。