434 : 1/4[sage] 投稿日:2010/10/25(月) 22:06:27 ID:FPmbdacs0 [1/10回(PC)]
皆さんの投稿を見ていると私も何か色々と書いてみたくなったので便乗して……。 
初投稿ですがヨロシクお願いします。 

『かまいたち』 


私が以前住んでいた地元に仲の良かったお婆さんがいました。 
田舎だったので近所同士の付き合いが深く、そのお婆さんの家も近所だったので、 
よく私も犬の散歩の途中や、出掛けた帰りに彼女の家に立ち寄らせてもらい、 
二人暮らしだという娘さん(50歳前後?)に厚かましくもお茶菓子等を出してもらっては 
それをいただきながら色んな話を聞かせてもらいました。 

そのお婆さんというのが怖いもの好きというか好奇心旺盛で、 
白髪で細身ですが背筋はいつもしゃんと伸ばして、凛とした佇まいが印象的でした。 
また性格もしっかりしていますが優しく、若々しい赤フレームのメガネが似合うお洒落さんでもありました。 
(今思うとサマーウォーズのお婆さんがそっくりです) 

ただ、 
どういう理由か聞けないままですが、彼女には両腕が無く、 
ビシリと着こなした和服もその袖だけは、いつも彼女の両肩からだらりとぶら下がっていました。 
生まれつきでは無い、らしい、とだけ私の母が何故か知っていましたが……。 

ちなみにさっきから過去形で書いてますが、まだ御存命(のハズ)です。引っ越してから全然連絡とっていないんです。

 
435 : 2/4[sage] 投稿日:2010/10/25(月) 22:07:14 ID:FPmbdacs0 [2/10回(PC)]
さて本題なのですが、 
そのお婆さんとは別にもう一人、よく顔を知ったご老人が近所にいました。 
たぶんお婆さんと同い年くらいのおじいちゃんで、いつも玄関先で椅子に座って、ラジオを聞きながら日向ぼっこをしていました。 

そのおじいちゃんというのが、歩いている姿を見かけるのがかなりレアで、 
たまに見かけても杖を突いてプルプルしながら歩くので、見ていて不安で仕方ありませんでした。 
足が悪いのだろうかと思い、ある日お婆さんに、それとなくそのおじいちゃんのことを聞いた時、 
実は結構仲が良いらしいお婆さんはそのおじいちゃんの足について教えてくれました。 

「あぁ、○○のおじいさんねぇ……」 
と言ってお婆さんは少し迷うような表情を見せたあと、 
「『かまいたち』って、知ってる?」 
と、逆に私に質問を返して来ました。 
このスレにいるような皆さんだと知らない人は少ないでしょう。知らない人もググればすぐわかるかと思います。 
(念のために説明すると、屋外にいる時に何も無いのに突然身体の一部に切り傷が出来る現象で、 
それがそういう名前の妖怪の仕業とも、そういう名前の風の仕業とも言われているのです。 
地方によっては違うこともあるかもしれませんが、おおかたこのような感じで合っていると思います) 

で、その『かまいたち』ですが……。 
恐らくその構造はとても単純なもので、道に飛び出した植物の枝葉等に気付かぬ間にかすって切れてしまい、 
それがしばらく歩いた後、何も無い場所でひりひりと痛みはじめ、そこで初めて傷に気が付くため、そんな噂ができた……。 
と、きっとそういうものでしょう。 

私はお婆さんの質問に頷いた後、でもあれって、と言って同じようなことをお婆さんに話したと思います。 
しかしお婆さんは私の話をしっかり聞き終えて、それから言うのです。 
「う~ん。……いや、『かまいたち』は本当にいるのかも知れない」