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586 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 01:29:48.22 ID:SOHyQJE/0 [3/12回(PC)]
2011年、大学三年生の夏休み。とはいっても休み明けギリギリの9月の終わりに友人たちと東北を回る旅行に行くことになった。 
目的はボランティアと、被災地の商売に少しでも金を落とせるように観光地もいくつか回る感じ。 
かくいう俺の実家も東北の沿岸部なので被災してて、家はギリギリ残ったけど友人や親戚を亡くしてた状態。 
みんな俺や家族を気遣って、俺の家族含めて少しでも被災者に元気を分けようとしてくれての旅行だった。 

俺含めて7人、車一台での3泊4日の旅だった。東京の大学だし、みんな出身は関東以西なので東北は初の奴ばかり。 
一日目は大学周辺に集合して俺の実家がある県に向かった。大きな台風の翌日だったためか東北道が土砂崩れなんかで混んでて、ついたのは夕方。 
そんで一日目はウチの家族を元気づける会みたいなの開いて終わったんだ。 

二日目、家や親戚の手伝いとかボランティアしてから観光目的でお隣の県へ。 
世界遺産にも登録されてる有名なお寺がある町に行った。 
拝観中もF ランのノリというのは出るもので、みんな仏像を笑いのネタにしたり、絶対にご利益は得られないような低レベルな客だった。 
まぁそんなこんなで楽しみながら二日目の宿泊地である小さな町の山奥のペンションに向かった。 


588 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 01:32:19.38 ID:SOHyQJE/0 [4/12回(PC)]
雨のため予定していたBBQができなくなったので、わざわざ山奥の自然豊かな手作り風ペンションにした意味がねぇ・・と思いながらも市街地で夕飯を済ませ、 
イオンで酒やつまみを買い込んでペンションに到着するともう夜中の9時。 
ペンションの親父さんは文句もなく迎え入れてくれたのだが、どうやら俺たち以外の宿泊客は東大受験を目指す高校生の勉強合宿メンバーとのこと。 
宿のチョイス間違えた感、さらに聞きなれない「東大」に、F ランの俺たちはちょっと怯んだが、頭が悪いのですぐに元気になり、壁の薄い部屋でもガンガン騒ぐことにした。 

俺たちは3人部屋と4人部屋に分けられていて、俺は3人部屋のほうだった。飲み会は広い4人部屋ですることになり、先に風呂に入った3人部屋の俺たちは、氷を買いだすために車でコンビニに行くことに。 
運転は最近免許を取ったばかりの佐藤(仮名)で、助手席に俺、後部に熊田(仮名)という配置。ナビで調べると、ペンションからコンビニはなんと最短で10キロ。 
しかも夜は営業してなさそうななんちゃらマートという名前だったので、15キロもあるローソンに向かうことに。 
ナビは有料道路に乗れと指定してきたが、さすがにコンビニ行くのに乗る気にはなれず、下道でいくことに。 



589 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 01:34:52.24 ID:SOHyQJE/0 [5/12回(PC)]
このへんで断っておくけど、俺は心霊体験とは無縁の人生を送ってきたタイプで、「霊なぞおらん論者」。 
それに対して熊田は「霊感あるで」と主張するタイプのクソ野郎。 
霊感があるという割には心霊スポットに女といったりする奴なので、基本仲間内では誰も本気で信じてはいない。 
それでなくともいじられ役なので、彼の幽霊話は滅多に真面目に議題にされることはなかった。 

話を戻そう。対向車もない山道を淡々と進んでいた俺たちなのだが、車内は妙に寒かった。 
風呂上り、東京から東北に来たばかり、季節の変わり目、夜中、雨、といくつも要因はあったのだが、 
そうでなくともみなヒートテックを来て、もう一枚着て、パーカーやアウターを羽織ってるにもかかわらずやたら肌寒い。 
我慢できなくなり暖房のスイッチを入れたとき、車内の静寂を切って熊田が口を開いた。 
「ねぇ、言っていい?」ニヤニヤしている。 
意味が分からなかった俺と佐藤は、「いいよ~」と適当に答えた。 
すると熊田は「フロントガラスにさ、手形ついてるよね」といった。 
確かに、助手席の俺の直線上見上げるような高い位置になんか跡のようなものがついている。 
まぁ誰かが触ってついたのが残ってたんだろ、と軽く流す。外と中の気温差もある。いつもの熊田のハッタリだと思った。 
熊田はまだニヤニヤしている。顔が気持ち悪い。 



590 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/23(日) 01:36:49.17 ID:SOHyQJE/0 [6/12回(PC)]
その頃あたり、もう山を下りて国道近くに出ていた。そして踏切で止まった時、「カンカンカンカンカンカーン」とサイレンの音がした。 
運転していた佐藤は一時停止を終えてもサイレンが鳴ったので停止している。 
どう考えても東北の田舎町で電車が走ってる時間帯ではないので、俺は貨物列車や回送の電車かなにかが来るものだと思った。 
すると熊田が「なんで進まんの?」といった。俺と佐藤は「はぁ?帰れ」とかいった気がする。熊田は「え?え?」と焦っていた。 
なので俺は「サイレン鳴ったやん」と説明した。 
熊田は「いやいやいやいや、鳴ってないし。鳴るわけないし。」と結構真剣な顔で言った。 

そこで周りを見ると、遮断機は下りないし、遠くまで見晴らせるが列車の気配はない。 
むしろ電車来るならずっとサイレンって鳴り止まないものじゃね?と考えつく。 
ちょっと怖くなり、みんなで「うわ~昼間適当に参拝したから罰かもな~」と変に盛り上がった。 
そしてコンビニにつき、一服して買い物を済ませ、帰りの運転は俺になった。