429 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/05/31(木) 19:41:16.10 ID:A9d0tpN10 [3/4回(PC)]
ところがご両親は、ぜひともこの写真を使ってほしいと一枚の紙焼きを出してくる。新婦の顔は 
どうでもこの女性の顔にしてほしいと言って必死の形相になっている。それをスキャンで取り込むのは簡単だけど、 
俺は先輩から言われた言葉を思い出した。「ムサカリ絵馬は、言い伝えではまわりの参会者はいいけど、 
新郎新婦の顔をまだ生きている人にしちゃいけない、また生きている人の名前を入れてもいけない。 
それをやるとその描かれた人には冥界からのお迎えが来るんだ。・・・馬鹿馬鹿しいと思うだろうが、 
東北の○○県のあたりにはそういう力を今でも顕すことができる神社が残ってるというぜ。」 

俺はおそるおそる、生きている人はまずいんじゃないですかと聞いてみた。しかしご両親が言うには 
その写真の方も亡くなっていて、生前は婚約関係にあったのだと。その女性が亡くなったのが原因で息子も 
病気になったようなもの、どちらも故人だしあの世ですでに一緒になっているのだろうが、正式な式として地元に 
報告できればうれしい、と切々と述べ立てられ俺は半信半疑ながらこれも承知してしまった。謝礼として10万円いただいた。 


430 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/05/31(木) 19:44:42.91 ID:A9d0tpN10 [4/4回(PC)]
写真はできあがり、最後の最後に息子さんの名前とご両親から聞いた女性の名前を同姓にして画像に入れ 
絵馬にしやすいようパネルにして手渡した。自分として出来映えは満足のいくものだった。ご両親はうれしそうに、 
これを持って地元の○○県に帰りますと言った。その帰省先が先輩の言っていた県だったのでちょっとギョッとしたけど、 
深くは考えないことにしていた。 
それから2週間ほどして、地方新聞に事故の記事が載った。被害者は即死で、なんと病院の前で救急車にはねられた 
ということでこちらの地域ではいろいろ問題になった。その病院はこれまで書いた息子さんのご遺体を搬送してきたところで、 
新聞に被害者の女性の写真は載らなかったが、名前は俺が画像に入れたのと同じだった。これで話は終わりです。