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俺の友達には、障害者をあつめた施設ではたらくやつがいる。Aとする。 

その障害者のなかに重度の知能障害をもっている子がいて、その子にはずっとAがついていないといけないそうだ。 
その子は滅多に喋らないんだけど、最近「あーちゃんがバカっいったのー」ていって泣きだすことが多くなってきたらしい。 
Aとしては施設内での問題は解決しないといけないから、どうにかしてあーちゃんを特定しようとした。 
でも、そのその子は、誰とも滅多に喋らないから施設内には友達いないし、 
あーちゃんってよばれている人も施設内にいないもんだから、ついにみつからなかった。 
それで、その子に施設内の人の写真をみせていったんだけど、その中にもあーちゃんはいなかったそうだ。 
だから、施設内の人が集まっているときにこっそりその子に 

「あーちゃんはどの子のことなの?」 

って聞いたら、誰もいない方向をさして 

「そこにいるよ」 

て言ったんだって。そしてすぐに「あーちゃんがまたバカっていったーー」っていって泣きだした。 

その出来事のあとは、一切あーちゃんってことばを発しなくなったそうだ。 

だから、Aは「あーちゃんはどうしたの」って聞いたら、 

寂しい顔をして「いなくあったの」っていった。 

ここからはAの推測なんだけど、あーちゃんっていうのは、友達がいないその子をかわいそうに思った幽霊なんじゃないかって。 
そして、自分の存在を他の人に知られたから、きえたんだろうなって。