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高校の同級生のその子は身長が170センチあって、顔は今でいうと桐○美玲に似ていてかなり美人でした。 
美人すぎて同級生にモテるというより大学生からよくナンパされるような子でした。 
その子とはクラスは違ったけれど、お互い目立つ集団にいたので自然に仲良くなってきました。 
学校をさぼって遊んだり、夏休みは海の家でバイトしたり四六時中一緒にいました。
 

17歳の頃、2人で雑誌に載って読者モデルを初めてた頃、 
その子(美玲って呼びます)が泣きながら電話をしてきました。 
友達に騙されたと泣いていました。 
美玲は見た目は派手だったけど真面目でした。 
私が美玲の元へすぐに行くと見た目はいつもと変わらなかったけど、憔悴しきった様子でした。 
それから間もなくして、ずっと付き合っていた彼氏とも別れてしまいました。 

それでも地元が近かったのでたまに会うと何時間も話したりして仲は良かったんです。 
でも、前よりも様子が違うなって思うようになったのはどんどん痩せていく事でした。 
「なんか、やせたね?」 
「うん。ダイエットしてる。モデルは皆痩せてるからね」 
美玲はよくわからないダイエットのサプリメントを見せてきて 
「これはすごい!」と絶賛していました。

高3に上がる頃、美玲から高校を辞めるとメールがきました。妊娠したそうです。 
相手は50歳の会社をやっている方で前の彼と別れてからずっと付き合っていたそうです。 
でも、その時以来、相手の話が出る事はなくシングルマザーになると 
しばらくしてからメールがきました。 
美玲の母親は鬱があるようでほとんど祖母に育てられたらしく、 
反対はそこまでされなかったようです。父親は無関心だったそうです。 

美玲はその頃もかなり痩せてたので子供をちゃんと産めるかもよくわからない状態でした。 
けど、私も勉強もあってちゃんと美玲の状態を心配してあげられる余裕はなかったのです。 
メールをすると笑顔で写メとかくれるし、養育費貰えることになったと教えてくれたりしました。 
私の学校ではアイドル的な存在だった美玲の妊娠に色んな噂はたったけど、 
でも結果美玲は明るくていい子って皆が言っていたのが印象的でした。 
私は本格的に受験勉強に入り、美玲もそれを遠慮してかあまり連絡がこなくなりました。 
しばらくして、美玲と携帯が不通になっていました。 
実家に連絡しても出ず、家に言っても真っ暗という状態でした。 

私が大学生になり落ち着いた頃、美玲からやっと連絡がありました。 
子供は双子でした。それと知的障害をもっていました。

美玲に会うと、髪が痛んでいるし顔もカサカサで可哀想な状態。 
子供をおばあさんに預けて、配送業者の仕分けのバイトをしていました。 
私と友達で美玲の美容院に連れて行ったり、もとの可愛い美玲に戻したくて色んな事をしました。 
美玲はいつもの明るい様子で 
「うれしー!!ありがとー!」 
とニコニコしていました。 
私は大学の友達と遊ぶ様になり、また美玲と連絡が疎かになってしまいつつあった時、 
友達から連絡がありました。 

「美玲がキャバでバイトしてる」 
私は美玲に会いに行きました。 
美玲は1人でアパートを借りて住んでいました。 
美玲はびっくりするほど綺麗になっていて、すごく輝いていました。 
「子供は?」 
「おばあちゃんに預けてるよ。私が稼がないとあの子達お金かかるから」 
「養育費は?」 
「もう、貰ってない。あの人とは縁を切りたいから」 
美玲は新しい恋人も出来たようで前よりもツンツンしていました。 
私に前お世話になったからと服とかを渡しながら 
「また、連絡するよ。また前みたいに遊ぼう!」 
と言っていました。 
けど、それからまた連絡が取れにくくなったんです。

一年くらいした頃、美玲からやっと連絡がありました。 
ご飯に行く約束をして待ち合わせ場所に向かいました。待ち合わせ場所にいたのは、 
肌が真っ白でガリガリで明るい髪はパサパサ、目の周りを黒いアイライナーで 
グリグリに引いた美玲がいました。 
美玲は私を見るなり、飛び跳ねていました。抱きついてきたけど、腕は棒のようでした。 

私はその頃、清楚目な格好をしていたので、かなり丈の短いワンピースを着た美玲と 
私はかなりバランスが悪かったと思います。 
それに歩きながら大声で話す美玲はかなり目立っていました。 
2人で居酒屋に行くと 
「お腹すいたー」 
と色々頼みはじめました。 
私もお腹がすいていたのでガツガツ食べていると美玲はお皿にサラダを 
ちょこっとのせるだけで箸がまったく動かない。 
「美玲?」 
「○○(私)と会えて嬉しいー! 
昔に戻ったみたい!あの頃楽しかったよね!○○と遊んでた頃が本当に楽しかったぁ。」 
美玲はサラダを箸でつついて食べるそぶりだけしていました。

美玲はこの時、 
外車のディーラーやバーを経営している人と付き合っていました。 
その人にキャバを辞めろと言われ、生活費を貰ってるそうです。 
「彼、すごい薬くれるの。でも、違法じゃないよ!」 
「でも、薬だよね?美玲、大丈夫なの?」 
「大丈夫!彼も平気って言ってるし」 
と嬉しそうに言っていたので、 
私はその彼に会ってやめさせようと思いました。 

私は美玲に頼んで、彼を紹介してもらう事にしました。 
美玲と彼がやっているというバーにいきました。 
そのバーはお洒落とも言えないかんじで、お客さんも夜の仕事っぽい女の人が 
バーテンの男の子目的で来ている様子でした。 

美玲の彼氏は痩せていて短髪、歯がボロボロでした。 
アクセサリーとタトゥーがすごくていかにもヤバイ人でした。 
多分、30後半くらい。 
軽い様子で美玲の肩を持って、私の話はそこそこにずっとしゃべり続ける人でした。 
美玲は楽しそうに笑っていて一応幸せそうに見えました。

唯一のお客さんが帰って、バーテン含め四人で飲む事に。 
私が「彼氏さん、美玲に変な薬のませないでくださいよ」 
と言うと 
「何いってんだよー!変なもんなんか飲ませてないよー」 
とはぐらかす。 
私以外の三人のお酒のペースがすごくて、私もお酒に強くて自信はあったけど 
気がついたらかなり酔っ払ってしまっていました。 

私はフラフラでトイレに入った瞬間、トイレで倒れてしまいました。 
席に戻ると、もう思い出したくない光景でした。 

美玲の目がおかしな方向をむいて、ヨダレたらしていました。 
 
とにかく異様でした。 
もう、可愛くて明るくて素直な美玲じゃなかった。 

「美玲!?」 
と私が言うと美玲はただ声をあげていました。

カバンをもってお店を出ました。 

ついてくるバーテン。 
「あれ、薬やってるよね?」 
フラフラしながらずっとバーテンに聞いていました。 
バーテンに腕を思いっきり引かれて
「薬ってこれ?!」 
と見せられました。 
私はお酒で酔ったのとかなりショックなのでかなりパニックに陥っていました。 

「美玲ちゃんはもうね、あの人に薬づけだから。もうダメだよ。」 

バーテンに聞いたのは 
美玲はずっと実家に帰っていない事 
子供は施設に預けた事 
変な言動をする事 

私は普通の大学生で普通の彼氏もいて普通の家族もいるから、 
もう美玲とは住む世界が違う想いがしました。 
それから私は自分から美玲に連絡が出来なくなりました。 
美玲を思い出すとあの時の光景がうかんでしまいました。 
それからまた、しばらく立った時、 
美玲から連絡がありました。 
「○○?何してるの?最近どうしてる? 
最近ね、前の彼氏から連絡あったんだ。 
そしたらね、それを知った彼氏がね、私に暴力する。 
彼の仕事もうまくいってなくて、イライラしてるのかな。」 

この時の電話がすごく辛かった。 
「○○と海の家でバイトしたじゃん。 
あれ、楽しかったよね。あと、雑誌のったの!うちらすごいよね! 
うちらが2人でいると最強だったよね。 
また、あの時みたいに遊びたいね。 
また、学校さぼりたいね」 
美玲が楽しそうに話していました。 
「そうだね。楽しかったね。また、遊ぼうよ!今度、いつ暇なの?遊ぼう?」 
「うん。また、連絡するね。最近ちょっと忙しいんだ」 
私は「わかったぁー」ですませてしまいました。

また、連絡がとれなくなりました。 
今度は番号もアドレスも変わってしまった。 
家にかけても相変わらずかかりません。 
彼氏のバーにも友達と見にいったけど、閉店していました。 
美玲が行方不明になって、皆で情報交換をしていた時です。 

友達から「美玲いるから来て」と連絡がきました。 
病院にいくと美玲はすでに亡くなっていました。 
車に飛び込んだそうです。 
警察に話を聞くと、ずっと1人でしゃべりながら街をふらふら歩いていて 
何かを叫んで車に飛び込んだようでした。 
何か幻覚を見ていたのかもしれないと言われました。 

美玲は髪の毛が何故かザン切り頭で短髪で、頬はこけていました。 
同い年と思えないほど老けて見えました。 
美玲の昔を知っている友達が集まっていましたが、遺体を見たのは私ともう一人だけだったけど 
あまりの風貌に事故のショックよりも会わない間に何があったのかと思うと何もいえませんでした。 

何年かぶりに見るおばあさんはただ、ペコペコとしていました。 
昔、このおばあさんに家に遊びに行った時、焼きそばパンを作ってもらったのを思い出していました。 
母親はすでに亡くなっていました。 
父親はただ溜息をついてうな垂れていました。

お葬式も終わりしばらくして、美玲のおばあさんから形見わけしたいと連絡がきました。 
形見わけしたら、美玲の物はすべて捨てるそうです。 
美玲はあれから何処に住んでいたのかおばあさんも分からないそうです。 

美玲は新しく携帯は持っていなかったけど、解約した携帯はしっかり充電してもっていました。 
「この携帯、ずっと使ってたよね。」 
携帯には私とのプリクラが貼ってありました。 
友達と大泣きしながら全部もって帰りたいと言っていたけど、持っているのもつらかったので携帯だけ貰って帰りました。 

友達とそれから美玲の話は出来なくなりました。 
友達も私も美玲に申し訳ない気持ちがあるからです。 
もっとあの時こうしてあげてればとか、皆思っていると思います。 
私は美玲を思い出すと、可愛い美玲と遺体の変わり果てた美玲と同時にフラッシュバックして辛くなります。 

美玲のおばあさんが亡くなってから美玲の家とも疎遠になってしまいました。 
今は父親が1人で住んでいるそうです。 
子供は施設に預けられてからはどうなったかわかりません。