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正直ここから現実だったのか夢だったのか判らない。 
ガクブルですくんでいたら、奥の暗がりに吸い込まれるような感覚でなんか身体がフラッとそっちへ行ってしまった。 
暗くてよくは見えないけど、通路を右へ曲がったら数人が入れそうな部屋になっていて、多分そこに誰か居る。 

喋ろうにも声が出ず、ひっと息が漏れるだけ。 
部屋の入り口で壁を支えに棒立ちのままいると、 
『ィギヤィャヤァァァァァ!!!』 
と目の前で大きな叫び声があがった。 

「ウワアアアアアアァァァォ!!」 
壁に身体をぶつけながら扉まで戻りドンドン叩いた。 
『ャァァァァ!!タスケテーーー!!』 
背後から耳元で叫んでいるような音量で悲鳴が聞こえた。 
もう大パニックでここで失神した。もしかしたら最初の扉をあけようとしたところで失神していたのかもしれない。鮮明すぎてそうは思えないけど。

気が付くと扉は開いていて鍵もぶら下がったままだった。 
だけど鍵は中まで差し込まれた状態、確か入る前は差し込まれてなかったと思う。 
ヤッパリ誰か閉じ込めやがったのかな。 
でも南京錠とか、鍵がないと開け閉めなんて無理だ。 
あいつらにそんな事できないだろうし、さっきの女の子は中にいたし。 
とにかくすぐに飛び出て元の道なき斜面を駆け降りた。 
もう暗かったけど、多分19時くらいなんだろうと思った。 
うちは父親家庭なので、夕食は遅いしその時間に居なくても遊びに行っていると簡単に決められて心配されない。 
なのでいつもの通り道に出れて自転車で家へ舞い戻った時は、とにかく安心して自分で持ち歩いている鍵で玄関を開けてすぐに自室へ飛び込んだ。 

だけど様子がおかしい。 
時計が深夜2時過ぎを差していた。 
ええ?さっきまで19時くらいだったのに… 
父は深夜までカラオケに行っている事が多いから、この時はまだ帰ってなかった。 
取り敢えずご飯を食べて寝た。 
さっきの事はまた明日でいいや。

起きると父が居て、「余り遅くまで遊びに出てるなよ」と軽く怒られた。 
昨晩はご飯の準備だけして出掛けたようだ。 
小屋での出来事のせいで帰るのが遅くなったと話すと、父は凄く険しい顔になった。 
「ハイキングコースだけにしておきなさい」 
みたいな事を言われた。 

この時の話はここで終わり。 

次にこの事について関わったのが高校生の時だった。 
昔に隣町で死体遺棄事件があったという話で盛り上がったのだ。 
山の中腹にある小屋で女の子が殺されていたという話。 
あの小屋の事だ!! 
すぐに思い出した。 
聞くところによると、小学生の女の子が時期や場所は違うが2人誘拐され、あんな場所にある小屋で監禁されてどちらも数日間猥褻行為をされた後に殺されたという。 
その間に食事は与えられなかったとか、小屋の中が板で仕切られて改造されていたとか、鍵が付けられていたとか、1人の遺体はそのまま放置されていたとか、真偽は解らないが怖い話だった。 

でもあそこだよな… 
仕切り板の事は覚えてるし、なんか嫌な感じがしてあれ以外無いと思った。 
もしかして、俺を閉じこめたのは犯人だったのかな。 
んで中には監禁されていた子が居たとか。 
でもそれだと俺があの時解放されたのはありえない。 
だったらあれは幽霊だったのかな。 
ただの夢だといいんだけど…気持ち悪いくらいにリアルだった。