何気なくベンチに目をやると和服の上に毛皮のオーバーを羽織った爺さんが
深く腰掛けて大きく背もたれにもたれている姿が目についた。
茶色っぽいマフラーをぐるぐる顔にまで巻き付けて、鼻より上しか見えない。
出ている額はすごくしわ深くて薄くなった白髪がきちっとなでつけられている。
自分は5mくらい離れたところにいたんだが、
なぜかその爺さんのことが気になって目を離すことができずずっと見ていると、
電車が入るという駅のアナウンスがあって、
すると爺さんは横に立てかけていたステッキをとると、
右手に持って前方斜めに突き出し、チョンチョンと前に押すような仕草をした。
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