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チャイムを鳴らし待ってると普通にエプロンつけたおばさんが出てきた、まさかこのおばさんじゃねーよな…とか考えてると正しくそのおばさんがお祓いの人だった。 

俺はもう無理だな、と思いながらも通された居間で事の次第を詳細にと言われ話した。 

おばさんは真面目な顔でウンウンと頷きながら聞いてくれた、一通り話を聞いてくれたおばさんが発した一言目はこうだった、仮名にHさんとします。 
 
Hさん「あたしで祓えるかはわからないけど、出来る限りはさしてもらいます、料金は普段の料金いいですか?」 
 
「料金取るんですか!?ちなみにいくらに…」 
 
Hさん「経費など含め5万頂きます」 
 
「マジですか!?すいません、ローンとか出来ますか?」 
 
Hさん「事が事だし、構いませんよ、急いだ方がいいですし」 

どうやら事態は一刻を争う位に緊縛してたみたいでした。 

Hさんの見解はこんな感じだった。 

元カノUは恐らく、俺を怨んでいる、しかし、それだけではないような気がするから普通にお祓いするんじゃ駄目かもしれない、今回はお祓いではなく、Uの標的である俺から完全に意識を逸らし縁を断ち切る為の物らしい。 

もっと詳しく話してたがよく意味はわからなかったので要約するとそんな感じらしい。 

「何か俺がしなくちゃいけない事はあるんですか?」 
 
Hさん「あなたは特にしなくちゃいけない事はありません、しかし周りの友達の力を借りなくちゃいけません」 

Hさんは詳しく今回の内容を説明してくれました。 
 
Hさんが言うには力を借りるは大袈裟に言ったらしく借りると言うより協力だった。 

まず4人でお清めし四方にお札を貼ったHさん宅2階の一室に入り一晩そこで過ごすらしいのだが、俺は一言も発してはいけなく、逆に絶えずツレ達は話し続けなくてはいけないらしい、寝てもいけないらしい。 

言葉には言霊があり、その部屋ではUは俺の姿を認識出来ないらしく言葉を発する者しか認識出来ないらしい。 
 
そうする事で意識的に俺を探し続けるUの意識から一晩時間をかけて俺を消し、俺はもういないと誤認させUの中の俺を消し、縁を無くしてしまおうという事でした。 

「つまり俺達が絶えずに喋り続ければいいだけ?」 
 
「なら楽勝じゃね?」 
 
Hさん「確かに喋り続けるだけですが、恐らくUさんから妨害はあると思います、どんな物かはわかりませんし、気を引き締めて下さい」 

妨害って…緊張しながらHさん宅で早めに夕食を頂き、皆お風呂に入り体を清め一晩を過ごす部屋に入りました。 

何て事はない普通の部屋でした、四方、天井、畳みの下のお札さえ無ければ… 

皆一言も喋らずに夜を待ち指定された時間を待ちました。

Hさんが指定した時間は7時、それまではUを家には入れないようにするし、Hさんもいるようですが7時が来たらHさんは家を出て、Uを家に招きいれなけばならない。 
 
極力部外者がいる事を避け意識を完全にそらさなければならないみたいだった。 

そして指定された7時が来ました、元々馬鹿の代表みたいな3人でしたし、Hさんから出された普段飲めない日本酒に皆大はしゃぎ、しかし俺は万が一を考え酒はおろか何一つ口にしてはいけないという辛い一晩でした。 

ですが、相槌を打つだけでも以外と時間が経つのは早くあっという間に11時に差し掛かろうとしていました、妨害も無くこのまま何事無く一晩過ぎて欲しかったのですがそうは行きませんでした…。

そして時刻が11時を回った辺りでついにUの妨害が始まりました。 
最初に聞こえたのは廊下を歩く足音、等間隔でペタッ…ペタッという足音でした。 

皆すぐに気付き一瞬静まりかえりましたが絶えずという言葉を思い出し、また大声で騒ぎ始めました。 

その後はラップ音?みたいにバキッカチッと部屋中から音が鳴り始めました。 

ですが、そこは馬鹿3人です、恐怖より負けられるかと馬鹿な考えが勝ったのか今まで以上に騒ぎ始めました、特にTの騒ぎっぷりは半端じゃなく恐怖より頼もしさを覚えました。

そして、妨害にも負けず必死に騒ぎ続け2時に差し掛かった時に最後の妨害が始まりました。 

部屋中からさっきの音とは比べられない位まるで思い切り壁を殴り付けるようにガンガン音が鳴り出し、あの嗽のようなゴロゴロの声で「アァ…アァ…ガガ」と叫んでいるのです。 

流石に馬鹿3人もこれにはビビり、騒ぎ方も小さくなりこれはヤバイと感じ始めました。 

音と声は激しさを増すばかりで一向に止まず、全員蒼白になりついに騒ぎが完全に沈黙しました。 

俺はああ終わったなと思いましたが時計を見るとすでに5時を回っていました、堪えていた時間が思った以上に長かったらしく日の出が上がり始め一晩は過ぎていました。 

そしてHさんが戻り全て終わった事を知り、男ですが大声で泣き叫びました。 

やっと終わったと皆で安堵の瞬間を迎える事が出来ました。 

そして最後にHさんは二度とその山には近づくなと、次は助けられないかもしれないと言い、私はそれを了解しHさん宅を後にしました。 

安易な気持ちで肝試しには行ってはいけないと肝に命じる事になる事件でした。 
 
二度と肝試しはいきません。