togitsuDJI_0159_TP_V

今日は、私が猟を始めた頃の出来事を。
車で1時間ほど走り、更に2時間ほどえっちらおっちらテクりまして、
奥山に入りました。

煙草を一服し、銃を袋から出してノンビリ歩き出します。足元には
親父から譲り受けた愛犬が獲物の痕を追ってジグザグに忙しく走って
いました。
夜の開ける前に家を出たのですが、思ったよりも徒歩で時間を食ったため、
周囲の山からは時々銃声が響いています。

まぁ、今ならば「人は人、俺は俺。ノンビリまったりヘタレの歩み」なんですが、
当時は気が逸りまして・・・。犬を一番険しい方面に誘導していきました。
険しい=人があまり来ない=獲物沢山 バンザイ!という安直思考です。

気がついたら原生林 という言葉が一番ぴったり来るようなところにいました。
犬もサーチをやめ、足元にぴったりくっ付いてしまっています。
「ヲイ!ちゃー君。匂いはないのか??」と急き立てても、私の顔をじっと
みて、尻尾を巻いてます。何か異様な雰囲気がするのに、そのとき気付きました。

静か過ぎるんです。広葉樹が多いので、太陽の光は燦燦ときらめいています。
こんなところなら、小鳥の囀りは常に聞こえるのですが・・・・。
急に、戻りたくなりました。で、来た道を戻り始めます。
犬はといえば、元気すぎるほどトットと前を小走りに戻ってます。

マテをかけても、とっとと。 私も小走りになりました。
喘ぎながら走っていると、変な音が聞こえてきます。
ハァハァと喘ぐ声。
自分の喘ぎが、周りに反響?とおもいましたが、つばを飲み込むために
息を止めても、ハァハァ言うあえぎ声は私の後方から聞こえてきます。

「チャー!ストップ!ホールト!」と叫び、私も止まって後ろを振り返りました。
が・・・・なにもいません。木立の間を透かしてみても・・・な
にもいない。
声をかけても・・・・返事なし。
で、水を一口飲んでまた走り出すと・・・・また聞こえます。走っては止まり、
又はしって・・・・。頼みの犬はもう見えません<薄情な犬
結局、車に戻るまでずっとその喘ぎ声に追尾されてしまいました。

なんだったのか?あれは・・・・。

去り際に、天狗伝説がある山だったのを思い出して、手持ちの握り飯を
(昔読んだ話にしたがって)、「テング!!」と叫びながら頭上の梢に向かって
放り上げて帰ってきました。
薄情な猟友?は、車の横で寝ていやがりましたっけ。


放り上げたムスビが、落ちてこなかったら・・・テングが機嫌がよい。
落ちてきたら・・・・機嫌が悪いのでとっとと撤収しろと・・・その物語にはありました。

落ちてこなかったんですよ・・・・。
でも、怖くなって逃げ帰りました。

ナガナガトスミマセンデシタ。