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彼のお父さんはその昔、火葬場で番の勤めをしていたそうだ。
専任ではなく持ち回りであったらしい。

火葬場も立派な物ではなく、農作業小屋に毛が生えた程度の物だったという。

番につくようになってから、時折火葬場の裏山でおかしな灯を見るようになった。
揺ら揺らと暗い斜面を一晩中、青白い火の玉らしき物が動いているのだ。
数は定まっておらず、見る度に大きさや個数が違う。
ある時、思い切って先輩役の年寄りにあれは何かと尋ねてみた。

 ありゃ遺恨の火だ。成仏しきれないモンの恨み辛みが燃えてるんだヨ。
 あれが見えたら間もなく里に死人が出るんだ。呼んでるのかもな。

聞いて後、お父さんは山で何が見えても無視するようになった。
現在その火葬場は取り壊され、怪しい火も現れなくなって久しい。