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まだ小学生の頃、両親に連れられて山に行きました。
その山は、頂上からちょっと下がったところに小さな神社があります。

小さいけれど霊験あらたかで、年に一度のお祭の日には、
直接の氏子でない人も沢山集まります。
父の実家は直接の氏子でしたので、その境内でお弁当を食べ、
両親は山菜取り、私は最初は手伝っていたのですが、幼い子供の事、すぐに飽きてその辺を走り回っていました。
走り回っている内に、神社のお社の裏に入りました。そこにあったのは、

てんこ盛りのお稲荷様。
小さなお稲荷様が山と積まれていました。

お稲荷様が怖い人が結構いるようですが、私は怖くありません。
野ざらしで無造作に積まれているお稲荷様が可哀想で、その中から比較的綺麗なものを2セット、近くの灯篭の上に飾りました。
山を降りた後両親にその話をすると、その神社のお祭では籤を引き、当たった人に小さなお稲荷様を下さるそうです。おそらくそれをお返ししたものをお社の裏にうっちゃっているのだと。
我が家も、父が毎年お祭で籤を引いているのですが、
一度も当たった
事がありませんでした。

翌年のお祭。
あんたも大きくなったからお祭に行きなさい、
と母が私と父を送り出して
くれました。
「座」と呼ばれる食事の場に上がり、籤を引きました。

当たりました、お稲荷様が!

まだ小さな子供が当てた事もあり、「座」の他の人が口々におめでとうと
言ってくれました。

その数年後、今度は父がお稲荷様を当てました。

今思うに、打ち捨てられたお稲荷様達は、まだお祭りしてもらいたかった
のでしょう。
それを私が拾い上げ、お祭りとまでは言わないけれど、きちんと飾った。
その御礼として、我が家にいらっしゃったのではないか、と思います。
私が飾ったのは2セット。

我が家にいらっしゃったのも2セット。

実家の神棚にはお稲荷様が祭られています。おそらくこの先もお返しする
事はないでしょう。

内容的には怖くないのですが、絵的に「てんこ盛りのお稲荷様」が怖いかと。