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小学2年の夏の盆に親父の田舎の佐渡に行ったとき、午前中のドンデンっていう山からの帰り、何でだか憶えてないが、また違う山に行くことになったのさ。

人工植林されてんのか知らんけど針葉樹ばっか生えてる山。親父と二人だったんだが、その親父いわくカブトムシは昼間はこういった針葉樹林に隠れてるってことだったんで二人でブラブラ山を散策してた。

そしたら山の上の方から濃い澄んだ空気が流れてきて、つか澄んでるのに濃いって意味ワカランが東京からほとんど出たことのなかったオレにはエラくインパクトのある匂い?だったんでオレはそっち方向にまっしぐら。

途中振り返ったら、強烈な日差しで麦藁帽の影になてたが
何故か親父がそれとわかるような満面の笑みをオレに向けてんの。いま考えればこの辺りからおかしかった気が。

普段しらふの時は滅多に笑わないのに親父。とか思いながら山の上を目指して一人で進んでたら、いままでの真っ直ぐに生えてた針葉樹が気づいたらなくなってて、原生林みたいなとこに出てた。

そんで帰れなくなった。

道とか無視してひたすら上に進んでたから、帰り道も下りを直進したんだけども、
いつまでたっても針葉樹が出てこないの。

どうしようとか、佐渡って広いなとか考えながら歩き続けても
いつまでたっても周りの景観変わらないし日も暮れない。永遠歩き回って川を発見したから水飲んで水分補給。

次第に空腹と眠気。食料はおろか所持品の一つももってなかったから、しょうがなくそこら辺に生えてる草を食べてデカイ葉っぱ使って地べたで睡眠。

起きたらまた昼間。実際は馬鹿デカイ木が生い茂ってたから太陽あんま見えんかったが。んでまた草を食べた後、歩いてたら針葉樹林を発見して親父も発見。

すっごい安心したが怒られると思って無言で近づいたら、
そろそろ帰るかって言われたよ。それと汚いし臭いとも言われた。
信じてもらえないと思い、家(親父の実家)に着くまでこのこと黙ってたが、親父を含めた親戚達に思いきってに話したら疑われることなく狸の仕業だといわれた。

みんな真顔で言うもんだから何故かオレも納得。

実家にお稲荷さん(狐)の祠まである母と、狸信仰のある佐渡出身の親父が結婚したことの不思議とかを熱く語られたりもした。