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俺の悪友が、カブスカウトかボーイスカウトだったかに入るとき、
そいつの祖父が、立派な剣鉈をくれたらしい。

刃渡り一尺、頑丈な鞘と樫のツカの付いたもの。恐ろしく良く斬れる鉈だったらしい
悪友は手入れを欠かさず、年に一度ぐらいは専門の研ぎ師さんに手入れを
して貰っていたそうです。

成長して、立派な山男になった悪友は、他のグループと合流して
交歓会となったときに、本職の刀鍛冶だか刀研ぎ師さんがいたらしく、
くだんの剣鉈を見て貰ったそうな。

日の光にあててよく調べていたその人、目に驚きを浮かべて
「これは、悪くても30万円以上の価値がある。」
目をむく悪友
「乱造品じゃない、きちんとした日本刀を重ねて打ち直したものだ。
 おそらく、本物の玉鋼だと思う」

祖父はすでに他界していたので父親に聞いたところ、二次大戦後、日本は
武装解除の際、軍刀や日本刀も多くその対象となったそうで、
米軍に渡すことを拒んだ人は、泣く泣く愛刀を中心から折って、短刀や鉈に
作り替えたとのことで、祖父も、おそらくそうしたのではないかとのこと。

悪友は、祖父に深く深く感謝するとともに、その剣鉈の切れ味の秘密に深く納得したそうです