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これは同僚のTから聞いた話です。
Tには小学生の頃にSという親友がいたそうです。よくSの家で遊び、Sのお母さんにも可愛がってもらっていたそうです。しかし、Sは5年生の時に交通事故で亡くなってしまいました。


Sのお母さんは一人息子を亡くしかなり落ち込んだそうです。しばらくしてSのお母さんは引っ越してしまいました。

Tが中学生になってある日のこと。事故にあい足を骨折してしまいました。
しかも轢き逃げで、犯人は捕まえられなかったそうです。

それからTは危険な目に会うことが多くなりました。
マンションの前を歩いていると、上から植木鉢が落ちてきて危うく当たりそうになったり、駅の階段で後ろから誰かに押されて落ちそうになったり。

中学の三年間、三ヶ月に一回くらいのペースでそういうことが起こっていたそうですが、大きな怪我をした訳ではなかったので、あまり気にしないようにしていました。

しかし、高校に入るとさらにその頻度が増し、悩み始め、何か悪いものでも憑いてるんじゃないかと思い始めた頃にSのお母さんと偶然再会したんです。

Sの死からも立ち直れた様で、昔みたいに話しかけてくれました。挨拶が済むとSのお母さんはTに
「ちょっと話できる?」
と言い、近くの喫茶店に連れていかれました。そして、Sのお母さんが
「最近何か良くないことが起きたりしてない?」
と訪ねてきました。

Tはびっくりしたものの、誰にも相談できなかったので、Sのお母さんに危険な目に会うことが多くなったと話しました。
するとSのお母さんはTが詳しく話していないのに、どこどこでこんな目に会ったでしょ。と次々にTの身に起こったことを当てたのです。

Tがなぜわかるのか聞いたところ、Sのお母さんには霊感があり、Tには悪霊が取り憑いていると言ってきたそうです。そして、Sのお母さんが
「徐霊してあげるからしばらく家に通いなさい。一回じゃ祓えないからね。」
と言って住所を教え帰って行ったそうです。

Tは驚き、半信半疑ながらもSのお母さんの家に通うことにしたそうです。

Sのお母さんの徐霊は念仏を唱えながら背中を叩くといったよくある形式のものでした。
しかし効果はあったようで、危険な目に会う回数が減ったのを実感できたそうです。
それでTはSのお母さんを完全に信じて、徐霊を続けてもらったんです。

徐霊は回を増す毎に激しくなっていきました。
背中を叩く力が強くなっていき、アザができるようになった頃にようやくおかしいと思い始めて、次の徐霊に行かなかったそうです。

すると、Sのお母さんから電話がきて、「どうしたの?今日は徐霊の日よ。」
と言われました。

Tが背中が痛いからしばらく通うのを辞めたいと伝えると、Sのお母さんは大声で
「それじゃ駄目じゃない!そんなんじゃT君4んじゃうよ?いいの?4ね!4ね!4ね!」と叫んだそうです。

思わず携帯から耳を離し、電話を切ったそうです。
しかし、直後にSのお母さんから着信。
履歴が全部埋まるくらいひたすらかかってきたそうです。

怖くなって、仕事から帰って来た両親に泣きついて事情を説明しました。最初は信じてくれなかった親もTの必死な様子と着信履歴を見てどうにか信じてくれて、明日、Sのお母さんに直接話をしてくれることになりました。

次の日は休みだったので、朝から両親と一緒にSのお母さんのところへ行き、
もう徐霊はしてもらわないという旨を話し、両親が出てきたおかげか、
おとなしくなったSのお母さんもそれを了承し、
話もまとまってひとまず安心できたTは普段通りの一日を過ごし、
夜になりもう寝ようとした時、玄関のドアノブが
ガチャガチャ鳴っているのに気がつきました。

鍵はかかっているので開きません。すると、インターホンが連続で鳴らされ続けたので両親がドア越しに誰か訪ねると、Sのお母さんでした。

Sのお母さんは「開けろ!」と叫びながらドアを叩いたり、ドアノブをガチャガチャさせています。両親はすぐに警察に連絡し、到着した警官にSのお母さんは捕まりました。

後日警察から聞いた話では、Sのお母さんは精神を病んでいて、入院することになったそうです。そしてSのお母さんは警察でこんな話をしたそうです。

一人息子のSが亡くなって落ち込んだ。なんでうちの子が?あの子がかわいそう。きっと天国で寂しい思いをしてるだろう。そうだ。親友だったTをSのもとに送ってやろう。
そう思い立ってTを事故に見せかけて56そうといろいろやったがなかなか死なない。

だから直接56そうと思って近づいた。

そう話したそうです。


以上、Tから聞いた話でした。